登山では日帰りであっても必ず1つはザックに入れておきたいアイテムにヘッデン(ヘッドライト)があります。
登山に限らず、キャンプや様々なアウトドア、また災害用に家族で1人1ケは持っているという人も多いのではないでしょうか。
そんな登山の必携品のヘッデンについての記事です。
よく雑誌やネットで調べていると、テント泊、特に縦走登山の持ち物として予備電池を持ちましょうと書いてあります。
予備電池?いえいえ、予備電池というよりヘッデンは2個持ちしましょうというお話です。
ヘッデンは2個持ち歩く
結論から言います。
ヘッデンの電池が切れてから暗闇の中、予備の電池を出して入れ替えられますか?
予備の電池を持っていくのも良いですが、電池が入った(充電がされた)すぐに使える状態のヘッデンをもう一つ持っている方が安心です。
予備の電池を持っていくというより、使える状態のヘッデンがもう1台ある方が断然に使えますし便利です
大事なことなので同じことを2回言ってしまいました。
イメージしてみてください。
もし、すぐに灯りを自分に向けて助けてくれる仲間がいないソロの山行だったら?
ヘッデンを使用している最中に突然、電池切れで真っ暗になってしまったら?
山の中の真っ暗闇の中、予備の電池を取り出し交換するにも他の灯りとなるものがなければ交換もスムーズにできませんよね。
携帯電話や時計のライトを頼るという方法になるかと思いますが、慣れない事態に落ち着いて行動できると思いますか?
予備のヘッデンがもう1台あればこの作業がカットされてすぐに行動が再開できます。
まさかの事態にも対応できる
まさか!?というような事態とは…
- ヘッデン(ヘッドライト)が壊れる
- ヘッデン(ヘッドライト)を忘れる
- ヘッデン(ヘッドライト)を回収不能な谷や川などに落とす
こんな事態には実際なってほしくないですよね。
でも実際にありえそうな話だと思いませんか?
経験談
実は実際にヘッデンが2個あって助かった!という経験をしたことがあります。
冬のアイスクライミングシーズン。
この日、私は仲間と4人グループで日帰りでアイスクライミングに出かけました。
行動開始は夜明け、まだ薄暗いです。
ですがすぐに明るくなってくるためアプローチの林道は皆、ヘッデンをつけずに歩き出しました。
まもなく朝がきて辺りは明るくなりました。
実は、この時のアイスクライミングはかなりチャレンジングなアイスクライミングの登攀を狙っていました。
ここ数年?十数年?しっかりした氷結がされず登攀記録がほとんどない氷瀑にアイスクライミングで登ることが狙いです
人が足を踏み入れていない雪の山中をラッセルし、ルーファイしながらたどり着いたそこには100m超の素晴らしい氷瀑がありました!
私たちは無事に3ピッチ、その氷瀑を登りきることができ、まさにアルパインクライミングの醍醐味を堪能できたわけですが…
3ピッチ登り終え、懸垂下降で氷瀑の取り付きまで戻り、さあ下山開始しようとした時にはすでに辺りは薄暗くなっていました。
ヘッデンを装着しようと皆、準備にとりかかると…
なんとメンバーの一人がヘッデンを忘れていることに気が付きました
素晴らしい登攀を終え、興奮冷めやらない高揚した気分がいっきにヒヤっとした気持ちになりました。
これからまだまだ雪山歩きが待っています。
登山口にある車の駐車地まで戻らないといけません。
そのためには来た道をピストンで戻る他、方法はないため、氷瀑を1本懸垂下降で降り、滑落注意なクライムダウンやトラバース、長い歩きが待っています。
本人はもちろんのこと、皆がこれからヘッデンをつけていない一人をフォローしながらの下山になることを覚悟した時
メンバーの一人が予備のヘッデンを取り出したのです。
おかげ様で、下山も安全にもときたルートをたどり無事に戻ってくることができました。
こんな時、予備電池をいくら持っていてもヘッデン本体がなければ意味がありません。
アルパインクライミングや登山で、予備のヘッデンを持っていくことの有効性を実感しました
予備電池よりもヘッデン2個持ち
どんなに登山やアルパインクライミングの経験があり、慣れたベテランの山屋さんやクライマーであっても、人間なので忘れ物もしますし、時には落としたりすることも多々あります。
どうせ予備の電池を持っていくならば、もう本体に装着して使える状態のものを予備としてもう1つ携帯してみては?
自分自身のためだけでなく、同行の仲間のため役に立つことがあるかもしれません。
もしかしたら山中で困っている人に出会うかもしれません。