たまりにたまった山行記録をすっ飛ばし、ブログ投稿の仕方を思い出しつつ(;^_^A
一番、直近の山行記録からアップしますね。
今回は雪降る御在所岳で、山の会の雪山訓練。
外岩での本格的な岩トレーニング。
岩稜帯のアイゼンでの歩行訓練とロープワーク、ピッケルワークの訓練です。
私が所属している山の会の中でも、私が参加しているのはアルパインの部なので、ちょっと厳しめですが、山岳会には興味があるけれど、どんな雰囲気?と気になる方には参考になるかもしれません。
2018.12.11
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山行概要(ルート、目的、山域など)
山:御在所岳
山行日:2018.12.09
コース:裏道登山口~藤内小屋~藤内沢出合(装備装着)~テスト岩~後尾根取り付き~後尾根の頭~中道分岐~中道キレット~砦岩(懸垂下降)~藤内小屋~裏道登山口
※上記は計画。実際には時間切れのため砦岩からの懸垂下降を中止し、日向ルートにて裏道登山口へ下山。
天気:終日、小雪が持続的に降り続いた。
参加人数:11名
目的:アイゼンでの岩稜帯歩行訓練&懸垂下降練習
難易度:★★★★★ 歩速:健脚
※難易度、歩速は私の入会している山岳会の基準によります。
御在所岳、雪山登山(アイゼントレーニング)の服装と装備
個人装備
・ハーネス ・ヘルメット ・シュリンゲ3 ・カラビナ3 ・12本爪アイゼン ・ピッケル ・確保器 ・山の会標準装備 ・懸垂下降装備
主にリードを担当してくださる方がザイルを持ってきてくださいます。
リードさんはザイルにカムなど装備も重くなるので、色々と大変💦感謝です♡
共同装備
・ザイル3 ・ツェルト2 ・カム2(各CL,SL)
tomoの30Lザックの中身
・アイゼン ・ハーネス ・ヘルメット(外付けもしくはすでに被っている) ・ガチャ類(カラビナやシュリンゲなど) ・サーモス(アツアツのお湯) ・行動食(チョコ、菓子パン) ・手袋の替え ・ファーストエイドキット ・防寒衣類(ダウン、ニット帽・バラクラバ) ・ヘッドライト、食器など基本的な山装備品
私の雪山道具の記事↓↓
本日の服装
基本的にはいつもと同じ服装ですが、今回は久しぶりに雪山用のアウターと、スパッツを雪山用にしました。
雪山用のアウターだと、普通のレインと違いヘルメットをかぶっていてもフードが被れます。
スパッツは夏用よりも生地が堅牢で下肢に、よりピッタリとした装着感があります。これはアイゼンで衣類を引っかけ破れを防ぐためでもあります。
登山スタート
挨拶を終え、今日の概要、注意点など師匠から少しのお話があります。
さて、全員集合したところで出発です!
裏道登山道を登りますよ。
最初に到着したのが藤内小屋。
御在所岳では師匠はちょっとした有名人。
あちこちからお声がかかります。
(あ、皆さん師匠と同じ70歳台ぐらい?ベテランクライマーさんばかりです。)
女性の登山中のトイレ問題
私たちはここ(藤内小屋)で最初で最後のちゃんとしたトイレで用を済ませ、身支度を整えます。
ここから先は、トイレなんてありません。
行きたくなったらもちろん木陰へ…。
皆さんお互い様なので、気にはならなくなってくるものですが…。
団体行動での山行では、トイレに行くタイミングを見計らうのがポイントだと思います。
はじめはなかなか自分から言い出しにくいもの。
事前の発信でスムーズに
「トイレに行けそうな場所やタイミング」がわからないということを、ベテランの女性の先輩など、これから行く山域やルート、行程に詳しい周りの方に事前に伝え声をかけておくことで、あの辺なら(トイレ)しやすい場所があるだろうという予測が立て、タイミングを見計らい声をかけてくださるので助かります!わからない事や不安な事は、自ら事前に発信しておくことで不安解消につながり、より快適な登山になりますよ。
後尾根
藤内沢出合に着くと師匠からハーネス、ガチャ類、アイゼンの装着をし準備するよう言われました。
だいたい、この藤内沢出合がいつもの装備の準備場所です。
そして本日のグループわけを発表。
団体での山行は、リードできる人がある程度いないとグループわけが難しくなります。
(1グループに最低でもリードできる人、ビレイできる人が必ず一人ずつは必要になります。)
この日は師匠が単独で、後は4人、3人、3人の3班体制です。
私tomoは女性4人メンバーのセカンドです。
装備の準備を整えたら、各班のメンバーどうしアンザイレンで繋がります。
参考
アンザイレンとは
登山者が岩壁を登る際に、安全のために互いにザイルで身体を結びあうこと。
参考引用:コトバンク
ハーネス、ガチャ類、アイゼンの装着方法、アンザイレンのザイルのロープワーク…。
何から何まで初心者にとっては初めてづくしで、覚えることもいっぱい。
実践しながら師匠や先輩方が教えてくださいます。
互いに協力しあいながら登っています。
前尾根を横目に見ながら進みます。
一壁を振り返り見つつ…
↑いつか登ってみたい中尾根。
後尾根の取り付きに到着しました。
上記写真の御在所岳のクライミングエリア地図は、この冬、雪山クライミングデビューを機に購入した「新版冬期クライミング」に掲載されていました。
表記はありませんが、一の壁の左側上あたりに後尾根があります。
上記地図の写真は、自分たちが登る時(裏道登山道)から見てわかりやすいようにしてみました。
後尾根の取り付きにて↑
1ピッチ目。
リードの方が落ちてこないか、ちゃんとフォローできる体制をとって下から見守ります。
上から「登って~」と言われてから登り始めますよ。
2ピッチ目。
あの穴のような場所は屋根のようになっています。
次第に難易度があがってきます。
2班リードのbenさんが登り始めます。
安定のリード!!
リードの方がたどったルートを凝視しておかないと、いざ自分が登る時に迷ってしまうといけないので、私も必死でみつめます。
私はカムを回収しながら登っています。
3ピッチ目。
大きな岩を左に回りこむように。
最初の一歩目の置き場所がポイントでした。
無積雪期にクライミングシューズで登った時は「簡単」に感じていたけれど、アイゼンを使っているとチムニーの部分が力の入れ方が難しく感じました。
みんな上から下から、アドバイスの声掛けが飛び交っています。
ここで狭いのでザイルを解除し、上部の広い場所で待機します。
皆さん続々と後尾根の頭へとあがってきます。
1班は後続の皆さんが上がってくるのを待ちながら、隙間時間で行動食を食べたり、写真タイム♪
後尾根~中道
後尾根の頭まで到着したら、ここでザイルを片付けました。
藪漕ぎしながら中道との合流点まで登ります。
標高があがるにつれ、降雪が次第に激しくなりました。
中道との合流地点の手前で、立ち休憩。
本日のランチはこの立ち休憩となりました。
ポイント
アルパインクライミングでは、特に人数が多い時は時間がかかるため、ゆっくり休憩時間を確保できないこともしばしばあります。
少しの待ち時間など、タイミングを見計らい、チョコチョコと行動食を食べられるように、取り出しやすい場所にしまっておくと便利です。
御在所岳が水墨画のような世界に。
クライミング中は普段使っているグローブをしていましたが、グローブがすっかり濡れて指先が冷たくなってきました。
替えのグローブに交換。
中道と合流すると、みんなホッと安堵の顔。
でも、まだアイゼンは外していません。
この日は雪の降り始め。
景色は雪山登山って感じですね。
中道のキレットに来ました。
上から師匠が登ってくるみんなをチェック。
しっかりとアイゼンの前爪で登るよう師匠からの指導が入ります。
キレットを終え、中道からそれ立岩を通り砦岩方面へ。
しかし、師匠から今日の懸垂下降は時間オーバーのため中止するとの判断が。
ここでアイゼンを片付けます。
下山は藤内小屋をとおらずに日向尾根ルートでくだることになりました。
日向ルートで下山
はじめて通る「日向ルート」は
立岩を通りすぎ、砦岩には行かず林間を下山するのですが、細かく九十九折に急坂をくだっていきます。
足元は幅が20センチあるかないか?程度の細いふみ後をたどります。
滑りやすい濡れた落ち葉、木の根っこ、ロープの張ってある箇所を何ヶ所通ったことか…。
天気の良い日であったとしても、あまり通りたいとは思わないようなルートです。
下山だからといって気は抜けない。
みんな真剣そのもの。
おしゃべりどころか、緊張感あふれる下山でございました。
私たちの師匠は超ベテランのアルパインクライマー
師匠はバリエーションルートが大好きです。
バリエーションルートというより、道なき道でも進んでいきます。
御在所岳は師匠の庭と呼んでもいいくらい、御在所岳を知り尽くしている人でもあります。
普段から一般登山道を「遊歩道」と呼んでいるくらいの方ですから、このようなルートを山行中に歩くことは珍しくありません。
今回の山行参加者はいつも師匠と歩いているメンバーの他に、他のアルパイン部から3名参加、新人さん1名参加でした。
いつものメンバーにしてみたら普通の事のように感じますが、他のメンバーには砦岩からの懸垂下降が中止になったからといって、単純に下山するような師匠ではない事にビックリされていました。
今回の日向ルートは
師匠はガイドさんが連れてくる道だと話していました。
ガイドさんが連れてくるから「軟弱者ルート」なんて呼んでいましたが、あれはきっと、いつもの冗談だったのですね。
このルート、師匠が命名した名前なのかな?
ネットで検索しても日向ルートという名前で探し出すことはできませんでした。
こういったバリルートをたくさん知っている師匠。
まだまだ御在所の知らないルートがたくさんありそうです。