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後編【北部白山】避難小屋泊で行く北縦走路を歩く(鶴平新道~中宮道)2025年9月
この記事は上記、前編の続きになります。 避難小屋にて作戦会議 1日目の行程を終え、ほっと一息。 まずは汗だくの衣類から着替えリラックス。 避難小屋の内部には物が干せるようにロープが張ってあったため衣類 ...
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この記事は上記、前編の続きになります。

避難小屋にて作戦会議

貸し切りの避難小屋にて
1日目の行程を終え、ほっと一息。
まずは汗だくの衣類から着替えリラックス。
避難小屋の内部には物が干せるようにロープが張ってあったため衣類を乾かすのに重宝した。
持ってきたラジオは途中からルート上、電波が悪く入らない箇所もあったけれど、避難小屋の中ではローカルのAMにつながりBGM代わりに。
明日の天気も晴れとわかってはいたけれど一応ラジオでも確認。
2日目も残暑きびしく暑くなりそうだ。

小屋の外は日暮れてきた
徐々に日が沈み、小屋の外は雲海が出来ていそう。
私もパートナーも疲れで外に出る元気なく窓から少し眺める程度に。

本日の晩餐
避難小屋には他の利用者はおらず貸し切り。
広くのびのびと荷物を広げることもでき、誰かに気をつかうこともなし!
とても快適。
私たちは早めの夕食をすることに。
- カット野菜+ポテトサラダ
- フリーズドライご飯+フリーズドライのカレー+生卵
- 明太子のフランスパン
- チーズ3種
- 缶ビール
山ご飯としては豪華な食事を堪能。


良く食べ、良く飲んだ!
食事をしながら本日の振り返りと明日の作戦会議。
- 天候が安定してるのは良いが暑さがしんどかった。
- 稜線歩きで日差しを避けられないため疲労度が増していた。
- シンノ谷から避難小屋までの急登区間がかなり歩きづらくきつかった。
- 翌日もこのルートを下るのはけっこう神経を使い困難さも今日より増すのでは?
どう考えても明日も暑さはやわらぎぞうもない。
明日も厳しい一日になりそうだ。

そんな程度にしか感じていなかった私だが、パートナーから明日のルート変更の提案あり
ピストン(元来た道をそのまま戻る)⇒中宮道で下山+中宮温泉から駐車地までタクシー利用
なるほど!その手があったか。
確かに、まだ中宮道は私たちは通ったことがないから歩いてみるのもいいかも。
事前の情報収集で中宮道も確実に笹の刈り払いなど整備してくださってあることはわかっている。
そして念仏尾根~鶴平新道のような暑い稜線歩きではなく、樹林帯を歩くので暑さによる影響もマシだろう。
体力的には確実にこちらの方が消耗が少ないとわかる。
私がこの案にOKを言うのにはそれほど時間もかからず話は決まった。
2日目

白ヨメナかな?
計画を変更し2日目は中宮道で下山することに。

予定通り、まずはご来光を眺めに避難小屋から少し登り展望の良い地点へ
眺望を堪能したらいったん避難小屋へ戻り荷物を背負い、中宮道で下山へ
2日目もご来光・火の御子峰

もうすぐ夜があける
日の出前のこの時間帯、いわゆるマジックアワーというやつ。

避難小屋から軽装で眺望の良い地点まで急ぎ足に進んできた。
小さな袋にはサーモスの温かい飲み物。
標高にすると2000mを少し超えた地点。
樹林帯を抜けると笹原の稜線歩きとなり眺望が良い。
雲海に浮かぶアルプスのシルエット、その上からまさにご来光が

山上で見るご来光
風が少しありダウンを着て丁度よいくらい。
もちろん、登山者は誰もいない。
この朝のショータイムも貸し切りである。

夏と秋の中間の季節 今年は北部白山から
毎年、この季節は標高の高い山へ行っている気がするけれど
標高がそれほど高くなくても十分、絶景を楽しめる。

白山と火の御子峰
今回の山行は、ここからの景色が観たくてやってきた。
まさに絶好の天気。
多少の風はあるけれど、立ってじっとしていられる程度の気温である。
白山の室堂からお花松原までは歩いていったことはあるけれど、その先(つまり今いるコチラ)までは通しで歩いたことがない。
この角度から見る、白山も火の御子峰もはじめてである。

じっと陽が高く昇るのを待つ
誰かのレコで見かけた火の御子峰が真っ赤に照らされ染まる様が観てみたい。
それが今回の私の最大の目的。

荒々しい山塊
徐々に火の御子峰にも陽があたりだしたが…。
真っ赤に染まってる?


素晴らしい景観だ
真っ赤には染まらなかったけれど、これはこれで良し。
大、ではないけれど、中満足ぐらい。
ここまで歩いてきてよかった。
そう感じられる景色を堪能することができた。
今日もしっかり歩いて下山しないとね。
この辺できりあげ避難小屋へ戻ることに。

ゴマ平避難小屋~中宮道登山口

来た時よりもキレイに
お世話になったゴマ平避難小屋。
大変快適にすごすことができた。
またいつか再訪し利用させてもらいたい。


美林がつづく
避難小屋からは基本的にはくだり基調。
1日目のようなアップダウンは少なくてすむだろう。
後は下山後の温泉を楽しみに歩くのみ!
迷うような箇所もなく、軽快に歩みをすすめる。
ダケカンバの林からブナ林へ、またダケカンバへ。

振り返ると白山の絶景が
ゴマ平避難小屋から20分ぐらいくだってきただろうか。
振り返ると、白山の山頂部までもが見える絶景が。
火の御子峰も遠くなった。
奥に見える稜線は加賀禅定道。
こちらも大変素晴らしい景観が楽しめるルートだ。
また百四丈の滝を眺めに行くのもいいなと思う。
今年の冬季にギハード氏によりアイスクライミングで初登攀されているのも記憶に新しい。

日本海側の街が見えた
白山ホワイトロードであろう道がくっきり山の斜面にわかる。
さらにその奥は北陸の街並み。
そして海と陸の境界がわからないけれど日本海だろう。

疲労が増してきた
やはり2日目も暑さがこたえる。
2日目の方が前日よりも私が疲れが出ている。
朝食のおかゆが摂取量が少なすぎた?
私の希望で少しこまめに休憩を入れてもらう。

ツルっとした岩肌、かなり大きい
あまり目新しい景観のない中、大きな岩肌が見えた。
クライミングでいうところのスラブというやつだ。
あんな大きなスラブ、登れたらすごいな。
アプローチ核心だね、などと話しながら進む。
熊鈴をリンリン。

赤い屋根の避難小屋
そろそろ木陰で休憩したいな、そう思い始めた頃に赤い屋根が見えてきた。
シナノキ平避難小屋だ。
もちろんここもはじめて。

古い建物
中で休憩させてもらうことに。
誰もいない建物の扉を少しドキドキしながら開ける。
もちろん誰もいない。
ゴマ平避難小屋よりも狭くほこりっぽい。
簡素な作りなことがよくわかる。

大きなカケスがいた
私もパートナーも疲れで元気が50パーセントくらいか。

自分にも言い聞かせつつ、お互いに食べたくないような気持ちを抑えパンを温かい飲み物に浸して食べやすくしなんとか流し込む。
食べだすと食べられるもので、少しずつパワーが回復してくるのがわかった。

夏のお花
1日目に比べると、樹林帯を歩くことが多く大変快適。
でも風がない。
せめて爽やかな秋の風が吹いていれば。

中宮温泉まで3.8㎞
看板の文字にガックリ。
わかってはいても、中宮温泉まではまだまだ遠い。
約4㎞、まだまだ気を抜かないで歩きとおそう。

今回の山行で初熊のウン〇
北部白山山域では熊の糞はたくさん見るだろう。
しかし今回出会ったフンの数は1か所のみ。
拍子抜けだが、それでも熊がいないというわけでは絶対ない。
たまたま、である。
気を抜かずに、音を出して人間が居るということをアピールしながら歩く。

様々なキノコに出会った
それほど美味しそうではないキノコ、巨大なキノコなど色々みかけた。

めっちゃキレイ
おもわずスキップしたくなるようなキレイな林を歩く。

巨樹も時々現れ
どうか熊さんと出会いませんように~

アザミがチクチク痛かった
ブナ林の急なくだり、藪漕ぎの草原チクチク痛いゾーンがけっこうやっかいだった。
でも、後もう少しだ頑張れと気力を奮い立たせる。
階段が現れてきたら、もう中宮温泉まであと少しだ

中宮道の登山口まで降りてきた
この堰堤が見えれば人間の居る地域だ。
タラタラと林道を歩き中宮温泉へと続く。

旅の思い出

帰路のSAにて鯛めし
中宮温泉へ無事に下山完了。
2日間、よく歩いた。
北部白山、雄大で植生も豊か、何より人が少ないのがよろしい。
目的の火の御子峰の景観も素晴らしかった。
誰にも会わない、貸し切りの北部白山北縦走路を堪能できた。

ウラバナシ
だが実はここから帰路にいたるまでに問題が。
タクシーがつかまらない!
福井、石川県側からは距離的に圏外とのことでタクシーに断られる。
頼みの綱である白川郷のタクシー会社は、インバウンドで賑わっている観光シーズンでもあり予約でいっぱい。
迎えに来られるのは夜遅くになるという。
それでは私が当日中に関西まで帰宅できない。
困った。
さぁ、どうしよう。
私たちはとりあえず何か良い案はないか?
北部白山管理人の泰山さんが経営されている温泉くろゆりさんへ行ってみることに。
誰か知人のタクシーの方がいないだろうか?
幸いにもホテルくろゆりさんに泰山さんは在中されていた。
再会の挨拶もそこそこにこの困った状況を説明。
泰山さんもいろいろと電話して聞いてみては下さったもののそう簡単にはみつからない。
困っている私たちに泰山さんが提案してくださったのが軽トラックを貸してくださるので、自分たちで登山口まで車で行き、また戻ってくるという案。
運転免許証を持っていた私がお借りした軽トラックを運転し、いったん登山口まで戻りパートナーはマイカーを運転。
再び温泉くろゆりへ戻ってきた。
道中、ホワイトロードの料金所の係員さんは私たちの乗っている車をくろゆり号と気づかれた様子
イキサツを話したりと地元の方との会話も楽しんでしまった。
これもまた旅の醍醐味?!
再び戻ってきてからゆっくりと温泉につからせていただき、やっと下山完了した気分になったのでした。
入浴後は泰山さんの即席の生ライブを楽しませていただき楽しい時間を過ごしました。
田部井淳子さんの作詞した歌、百四丈滝の歌、聞きほれてしまいました。
百四丈の滝アイスクライミング登攀にまつわる話など、共通の知人もかかわっていることからますます話題が盛り上がりました。
その時の様子がコチラ↓

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