2022年7月下旬。
北陸の名峰「白山」はテント泊(1泊2日)で登山に行ってきました。
今回の白山登山は夏の高山植物を思う存分に満喫できた「花・花・花」という感じの花好きにはたまらない山行です。
白山には何度も日帰りや、小屋泊、避難小屋泊など、白山を違う登山口から、いろんなルートから、季節を変え登っていますが、南竜ヶ馬場野営場を利用したのははじめて。
南竜ヶ馬場野営場(白山唯一のテント場)を拠点に快適に花の白山登山を堪能できたのでレポートいたします。
今までの白山登山の中でも各段に白山を無理なく、そして白山の良いところをあますことなく満喫できた山行だったと満足しています。
ルートごとの見どころや、初心者さんへおすすめの情報など実際に行ってみて感じた事、気が付いたことを盛り込んでレポートしています。
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1泊2日の白山登山テント泊の概要
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雲海に登る日の出がお花畑を照らす
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日程:1泊2日
泊り:南竜ヶ馬場野営場(テント泊)
ルート状況:明瞭・危険個所なし
1日目の行程
- 市ノ瀬ビジターセンター(バス利用)
- 別当出合から出発(砂防新道)
- 甚之助避難小屋
- 南竜分岐
- 南竜山荘
- 南竜ヶ馬場野営場(テント設営)
- トンビ岩コース
- 白山室堂
- お池めぐりコース
- 中宮道分岐
- お池めぐりコース
- 白山室堂
- 弥陀ヶ原(エコーラインコース)
- 南竜道・エコーライン分岐
- 南竜ヶ馬場野営場
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一日目はまずはテントを張るところから。
テントを張ったら後は必要最低限の荷物だけ持ち、お花見ハイキングへ。
山頂へは何度も行っているためピークにそれほどこだわらない私たち。今回は中宮道分岐あたりまでお花を見に行き引き返しています。
山頂を踏まない、花メインの行程です。
メモ
体力的、時間的に余裕のある方は室堂から山頂へ。お池巡りをしてテント場へ戻りましょう。
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2日目の行程
- 南竜ヶ馬場野営場
- アルプス展望台
- 南竜ヶ馬場野営場(周辺の池塘散策)
- 南竜山荘
- 南竜分岐
- 甚之助避難小屋
- 別当出合
- 市ノ瀬ビジターセンター
- 行程時間は約6時間です
2日目のメインはアルプス展望台へ日の出を見に行きます。
絶景を堪能したら、テント場に戻りながら花を堪能。
テント場でゆっくり朝食後は周辺の池塘を散策。
テントを撤収し来た道を下山します。
時間的に余裕をもって下山し、まだ混雑前の近場の温泉(日帰り入浴・総湯)で汗を流します。
レポート1日目
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甚之助避難小屋から見る別山
白山にテント泊で来るのは今回がはじめて!
予報では2日間とも、雨が降る気配はナシ。
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市ノ瀬をシャトルバスで出発。
始発から2台目に乗る事ができました。
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まずは砂防新道から南竜ヶ馬場野営場を目指します。
甚之助避難小屋で小休止。
ここまでの間に、どんどんと後続の登山者に抜かされていきます。
私たちはゆっくりペースですが、息があがらない程度の歩行ペースで確実に進みます。
南竜分岐の周辺にはシモツケのピンク色が目立つお花畑が一際、目をひきました。
南竜ヶ馬場野営場に到着。
まだ昨日から泊りのテントが撤収されていない方もいますが、空きスペースは十分。
まずはどこにテントを張るか見定めます。程よい場所に設営できました。
少し休憩をしたら、必要最低限の荷物だけをアタックザックに入れ出発です。
南竜山荘の脇を通り、トンビ岩コースへ入ります。
はじめから段差の大きな道幅の狭い急登が続きます。
徐々に高度を上げると南竜山荘やテント場が小さくなっていきます。
このコースは私は通るのがはじめて。
メインルートである砂防新道では前後に必ず人の気配がありますが、こちらは全く人の気配が少なく静かな登山が楽しめました。
こちらのルートは広大なお花畑はありませんが、たくさんの種類の花が咲いています。
オレンジ色がゴージャスなクルマユリに、鮮やかなピンク色のハクサンコザクラ
モミジカラマツソウにチングルマ。
コバイケイソウにイワイチョウ。
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トンビ岩からの別山
ルートの名前どおり、トンビ岩に到着。
最高の天気のため見晴らし良く、ド~ンと、この景色!
南竜山荘からテント場、そして別山への登山道までくっきり見えます。
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トンビ岩を越えると室堂まではゆるやかに開けた景色へと変化していきます。
ここまでくると雪渓がチラホラ。
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雪渓の横は少し涼しい
室堂はもうすぐそこ!
お花畑の中を室堂まで進みますよ
室堂に到着した私たちは、なんとか日陰をみつけ大休憩することに。
それにしてもすごい登山者の数です。
体力的によゆうがあれば山頂を経由しお花松原まで行こうと考えていましたが、同行者と相談し山頂は通らずにお花畑をトラバースし中宮道方面へ目指します。
室堂の向こうに別山。
ヨツバシオガマ
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もう、きりがない!
花好きにはたまらない山です!!
チングルマも場所を変えると花から様変わり。
御前峰にたくさんの登山者の人影。
私たちは花を求め再び静かなルートへ。
中宮道方面へは、滅多に人と会うこともありません。
途中、年配のグループの方がお花松原から戻ってきました。
花畑の開花状況をたずねると、それほど期待している感じでもなさそう。
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ここまで歩いてききて十分にお花も堪能できたので、無理をせずテント場へ戻ることにしました。
お花松原にはたどりつけなかったけれど、白山では珍しいコマクサを発見!
何度も白山には来ているけれど、白山でコマクサを見つけたのははじめてで大興奮しました。
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白山と言えば、クロユリ!
テント場へ戻る道も花に癒されます。
ハクサンフウロにイブキトラノオ…
花の種類が豊富でどこを見ていても楽しめます。
これは弥陀ヶ原の辺り。
コバイケイソウの群落が広がっています。
行きとは違うルートのエコーラインを通り南竜分岐までくだります。
鮮やかなピンク色の花たち。
シモツケソウにカライトソウ。
エコーラインのメインのお花はなんといってもニッコウキスゲ。
これほどまでのニッコウキスゲの群生を見ることができるのは白山ならでは!
ルートを1本変えるだけで、これほどまでに咲いているお花が違います。
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テント場に戻る前に南竜山荘に立ち寄りました。
夕飯にはちょっと早い時間ですが、早めの乾杯!
他の登山者さんと少し歓談。
テント場に戻り、夕飯までの小1時間ほどお昼寝休憩しました。
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今回、初使用の椅子
テント場でくつろぐのに重宝したのがコレ。
折りたたみ椅子。
普段はアルパインの山行では、余計な荷物はもっていかないため椅子なんてぜいたく品!?
その辺の石や木に座ったりしていましたが、今回はまったりテント泊でのんびりした時間を楽しむ山行です。
姿勢も楽ちんにくつろぐことができました。
購入はヘリノックスのチェアワンと迷いましたが、軽さ、安さが決め手となりこちらを購入。
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翌日は御来光を見るために早起きしないといけません。
早めに就寝しました。
写真は上手く撮れなかったのですが、満点の星空が見られました!
流れ星や天の川も、美しかったです♡
レポート2日目
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雲海の上に浮かぶ北アルプスのシルエット
2日目。
アルプス展望台でご来光を見るのが2日目のメインイベント。
日の出の時刻と、テント場から歩く時間を計算し余裕をもって到着できるよう出発です。
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御嶽山
空が徐々に明るくなってきました。
アルプス展望台に到着すると、すでに何組かの登山者もいます。
徐々に人が増えてきました。
少し風があり寒いため防寒は必須です。
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ねばり勝ち!?
日の出時刻を過ぎてもガスがきれないため、立ち去っていく登山者がいる中、時間に余裕のある私たちはとどまりねばることに。
やがて、ガスの隙間から光が…
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朝陽に下から照らされる雲がダイナミック
やった!ねばった甲斐がありました。
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ガスがすっきりと消えた
アルプス展望台から見るご来光、どうですか?
山頂から見るご来光とも、全然、遜色ないでしょう!
絶景を見ながら熱々のモーニングコーヒーを頂きました♡
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ご来光はぜひ見てほしいおすすめの光景です
実は、この後もすごかったんです。
明るくなり、辺りの様子がはっきり見えるようになると、なんと周辺が素晴らしいお花畑だったと気が付きました。
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朝陽に照らされるお花たち
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花好きの私は大興奮!
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雲海の向こうに見えるのは、まさか富士山!?
早起きして来た甲斐があったなあ。
自然の織り成す天体ショーと花々たちにうっとりです。
テント場へ戻る道も花に囲まれ楽しい。
テント場へ戻ったらゆっくり朝食タイム。
食後は再び、まったりお散歩へ。
テント場から少しくだり池塘へと散策タイム。
南竜ヶ馬場野営場の周辺も、散策してみると楽しいですよ。
お散歩後はテントを片づけ撤収です。
今回はこれにて下山します。
少し早めの下山することで混みだす前に温泉へ到着することができました。
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白山はピークを踏まなくても様々なルートを歩け、それぞれに違った景色が見られるからあきませんよ。
とても1回の山行では周りきれないから、何回でも訪れて楽しみましょう
特に初心者さんには、室堂や南竜山荘を利用した泊りでの山行がおすすめです。
なぜなら白山は山塊が大きく、日帰りで周回するには慣れないとだいぶきついです。
もし日帰りで周れたとしても、それぞれの良さをゆっくり見て感じて、楽しむには時間が足りません。
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白山登山のお役立ち情報まとめ
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雪渓とニッコウキスゲ
白山登山を10倍楽しむために、まずは情報収集してください!
白山は山頂まで行こうと計画するには、初心者さんにはけっこうハード。
ハイキングというより、本格的な登山です。
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駐車場問題
朝の市ノ瀬ビジターセンター駐車場は劇込み
白山登山のピーク時は、市ノ瀬と別当出合間がマイカー規制のため通れません。
市ノ瀬からシャトルバスを利用するのですが、マイカーの駐車場がすぐにいっぱいになってしまいます。
今年は7月末の登山ピーク時の休日ということもあり、朝4時に到着しかなり奥に位置する№6の駐車場でした。
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登山を終えシャトルバスで市ノ瀬まで降りてきたら、疲れでヘロヘロな体にムチ打ち再び駐車地までかなりの距離を歩かないといけない…
なんて事になってしまうと…かなりシンドイですよね。
登山口までのアクセスをマイカーにこだわらずバスやツアーを利用するとか、日帰りではなく泊りの山行にする(市ノ瀬にもビジターセンター前に、永井旅館という人気の宿などもありますよ)時間的な余裕を持った山行計画にすることをおすすめします。
白山のテント泊
今年は全国の山小屋でコロナによる突然の営業休止がありました。
このご時世、致し方ないとは言え、やっぱり計画していた山行が突然中止になってしまうのは悲しいですよね。
その点、テント泊なら、よっぽどの天候理由や道中の土砂崩れなど災害理由がない限り泊まれなくなる心配はありません。
ソロのテントなら、他者と密になる心配もありません。
今後の登山のスタイルはどんな風に変わっていくのでしょう。
小屋泊のみの山行スタイルからテント泊が主流となっていくのでしょうか?
南竜ヶ馬場野営場のテント場の場所確保も争奪戦
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トンビ岩コースからカラフルなテント場が見える
2022年8月現在。
南竜ヶ馬場野営場のテント泊に予約はいりません。
キャンセル料の発生もなし!
しかし!その分、利用者が多い時はテント場は詰めつめ状態。
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それから軽い荷物で山頂なり花なり登山を楽しむことをおすすめします
実際に今回の山行では市ノ瀬を2番目に出発したバスに乗り、8時すぎにはテント場に到着。
まだ撤収していないテントも複数ありましたが、空いているスペースもたくさんあり、どこが良い場所かな?と選べる余裕がありました。
でも、夕方前にテント場へ戻ってきたときにはすでに満杯状態。
辺りがオレンジ色に染まる夕方になっても、テントを担いだ登山者が到着し少しのテントを張れるスペースを探して右往左往していました。
最終的にテントとテントの間隔も余裕がないほどに。
重い荷物をもって一日行動してきた後にこれでは本当に大変ですよね。
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2022年7月1日より南竜ヶ馬場野営場のトイレが新しくなり快適
かつて南竜ヶ馬場野営場を通過した時の事、トイレ前を通過しただけでかなりの異臭。
とてもじゃないけどここのトイレは使いたくないし、ここでテント泊はしたくないな、と感じたことがありました。
しかし!
新築されたトイレを今年から利用できるとのこと!
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正直、トイレが汚いとわかっていたら、そこでのテント泊も躊躇しちゃいますよね。
※画像:白山地域振興社さんのHPより引用
まだ出来立ての新築トイレ。
水洗で匂いもなく、もちろんキレイ!気持ちよく使用させていただきました。
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白山のご来光
日の出は山頂まで行かなくても見られる
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アルプス展望台からのご来光
南竜ヶ馬場野営場から40~50分程度。
アルプス展望台からのご来光は白山登山で南竜に泊の場合、ぜひ行ってみたいメインイベントの一つです。
過去に白山室堂に泊まり、翌朝、山頂からご来光を眺めたこともありますが、山頂にこだわる必要はないかなと感じています。
山頂からのご来光を見るには
- 室堂から山頂まで急登が続く
- 標高が高い分けっこうハード
- 山頂は風が強く寒い
- 山頂は広いが人も多い
アルプス展望台からのご来光
- 急登区間は短い
- 人が少ない
- 展望台周辺の花畑が魅力的
- ルート的に南竜に泊まらないと通過しにくい場所にあるため違う景色が楽しめる
荷物の過多によりますが、室堂から山頂でご来光を眺めるよりも、南竜からアルプス展望台に行く方が行程的には楽です。
でも、荷物を撤収しテント泊装備を担ぎアルプス展望台を通過していく行程の場合はしんどさは倍増すると思います。
あくまでも必要最低限の軽荷で行き、テント場に戻ってくる方が断然ラクでしょう。
下山後の温泉
下山後の近場の温泉で人気の白峰温泉総湯は混む
すべすべお肌の美肌の湯でめっちゃいい温泉!
なんですが、ハイシーズンは登山者も多いため下山時刻が重なりみんなが温泉へ集中します。ピーク時はイモ洗い状態。
特に女性は洗髪した髪を乾かすためのドライヤーの数に限りがあるため、みんな順番待ちをしている状態です。
コロナのため入場制限もあったりと、混雑時はなかなか落ち着いて温泉でくつろげないというのが本音です。
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対策としては混雑する休日を避ける、もしくは温泉が混みだす前に下山し温泉の営業開始すぐに行く。
夏の白山はとにかく高山植物の宝庫。花を楽しもう