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「登山外来へようこそ」で大城和恵氏が語る登山者が知っておくべき基礎知識

はじめに

2017年9月23日。

憧れの北アルプスでの小屋泊登山。

初めての前穂高岳登山中のこと、登頂後、少し下山した紀美子平という場所で休憩している時です。

「あれ?」と違和感を感じました。

 

確かな頭痛。

まだ生理には少し早いはず。

風邪もひいてないし、肩がこった感じもしない。

 

とっさに嫌な予感がよぎりました。

もしかして高山病??

このままもし高山病で症状がひどくなったら…

 

まだ、紅葉の北アルプスも見れていないのに!!

これから楽しい稜線歩きや、小屋泊も待ってるのに!!!

すぐに下山しないといけない???

 

せっかくの山行が楽しめないかもしれない?!

そう考えると、高山病とは信じたくない気持ちが沸々と湧いてきて…

念の為にと持ってきていた、普段飲みなれている市販の頭痛薬を1回分、内服しました。

その後、頭痛もおさまり、楽しい北アルプスの縦走登山を楽しめたわけですが…

この時のヒヤッとした気持ちは鮮明に覚えています。

 

いつか憧れの「北アルプスへ!!」という気持ち。

登山初心者さんなら誰もが持っていると思います。

山が好き、登山が好き、自然が好き…

 

そんな共通の想いを持つ人ならば、

北アルプスではなくても富士山など1500m以上の高所登山の機会はあると思います。

そんな時、念頭においておかなくてはいけない問題。

 

それが高山病

 

北アルプス縦走登山からの下山後、高山病や体調管理など、

  • 登山の知識をもっと知りたい!
  • ファーストエイドを学びたい!
  • 自分の得た知識を登山でも活かしたい!

という思いから、日本人初の国際山岳医資格を取得し、三浦雄一郎氏のエベレスト遠征隊にもチームドクターとして参加、またTV番組でイモトアヤコのマナスル登山企画にも帯同した

大城和恵氏の登山外来へようこそ (角川新書)を読んでみました。

これから登山を始める人も、すでにベテランの登り慣れた人にも必須の登山知識がつまってます!!

登山外来へようこその概要

大城氏は長野県出身の医学博士。日本人で初の国際山岳医の資格を取得した女性医師です。また北海道大野病院付属駅前クリニックにて登山外来を開始。

三浦雄一郎氏のエベレスト遠征隊のチームドクターや、イモトアヤコのマナスル登山企画のチームに帯同するなど近年ではメディアでも有名になりました。

 

そんな華々しい経歴の持ち主の大城氏ですが、国際山岳医の資格を取得しようと至るには、一人の医師として、1人の人間としての物語がありました。

ただ単に「登山ではこういうことに気をつけましょうね~」とうたっているマニュアル本ではありません!

  • 大城氏は1人の女性としても興味深い人である!
  • 登山ブームの影に潜む遭難の実態がわかる!
  • 登山の基礎知識がわかる!
  • ファーストエイドの第一歩がわかる!
  • 国際山岳医はどんな仕事かがわかる!
  • 三浦雄一郎氏とのエベレスト登頂と下山エピソードもおもしろい!

この本は「遭難者を減らしたい」という思いから資格を取得し、今も活動、活躍されている大城氏の登山の手引書でありながら、大城氏=日本人初の国際山岳医の歴史でもあります。

大城氏がどんな登山経験を積まれているのか、国際山岳医になるにあたってどんな壁を乗り越えてこられたのか、今の登山ブームからの遭難の現状などなど…

興味深い内容で、私も最後まで飽きることなくいっきに読み進んでしまいました!

 

 

毎月2回以上の登山がオススメ

著書の中では、本当に「ハッ」とするようなことが随所にありました。

その中の一部をご紹介しますね。

 

年間二週間以上、山登りをしている人は、山で心筋梗塞を起こしにくいという報告があります。できれば毎月二回以上の登山がおすすめです。

国際山岳医である医師の発言には、説得力と信頼感がありますね。

また高山病予防の鉄則(ゆっくり登ること!努力呼吸と水分補給)

命を救う三つの技術(止血・気道確保・低体温症をふせぐ対策)

など、知っているのと知らないのとでは大違いの知識が医療職者でなく一般の方でもわかりやすい言葉で解説されています。

 

 

北海道で低体温症でなくなる人のほとんどは関東以南から来ている登山者で、北海道在住者はあまりいません。

これは、なるほど~と思いました。

私も少しの期間ですが北海道に住んでいたことがあります。

北海道は夏でも寒いです!!

お盆を過ぎたら朝晩はストーブをたいていたぐらい。

事前に「北海道は寒い」とイメージがあったとしても、実際に体感して「まさかここまで寒いとは!!」と感じる人が多いのでは?

 

登山ではその土地の天候、気候を理解していることが重要ですが…

大城氏は

遭難が起きたときには「あまく見ていたのが原因んだ」と言われたりしますが、「知らないから想像できない」というのが実情に近いのではないでしょうか。

と指摘しています。

 

例えば、車を運転する時に必ず交通ルールを学び運転免許を取得してから運転できるようになりますよね。

でも、登山って誰もが簡単に始められると思うんです。

はじめはスニーカーで近くの低山を登る人もいれば、いきなり富士山に登頂する人もいる。

登山学校や山岳会、講習会などに行き学んでから登り始める人は少ないのでは??

ほとんどの人が登山の技術を体験の中から学んでいるように思います。

でも、それでは遅いってことも多々ありますよね。

 

 

 

「山岳遭難です」

肝心かなめの高山病予防のための具体的な策のほかに、本著ではこんなことも紹介されています。

なんと、山岳遭難にあった時の救助要請のポイントです。

山の中では電波が不安定なので、大事なことはコンパクトに伝えましょう。中略

一つ目は「山岳遭難です」と最初にいうことです。中略

二つ目は「場所」です。

 

 

 

できることなら救助要請なんてしたくありませんが、山岳遭難発生時の110番通報要領なるものも紹介されています。

ちなみに、バッテリーを温存するには、ポケットや胸になど入れて温めておくこと、家族や友達に電話をかけてバッテリーを消耗させないことです。

うわぁ。もし私なら、やってしまいそう(^_^;)

つい読みながら、リアルに自分に置き換えて考えてしまいました。

 

 

自分の安全が大前提のもとで、その時の時間や気象条件などから、自分に何ができるか、何をすべきかを考えます。

「無理な救助はしない」「命に関わることを優先する」「一般の人は、状態を知ることを目的とするべきで診断する必要はない」という姿勢が基本になります。

もし自分ではない誰かが目の前で苦しんでいる時。

あなたならどうしますか??

私なら…??

大城氏の登山外来へようこそ (角川新書)を読むことで、きっと

  • 自分の身を守るための知識
  • 予防ができるようになる
  • 応急処置ができるようになる
  • 救助要請が必要な人を判断できるようになる

ファーストエイドの登山技術が身につく大きな一助になると思います。

 

ソロで登る人もグループで登る人も、自分のため、家族のため、仲間のため、ぜひ一度手に取って読んでみてください。

 

 

 

 

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