日本で唯一と言われるヴィア・フェラータが御在所岳にあります。
日帰りでクライミング気分を味わえる楽しいルートだったのでご紹介します。
ブログ管理人tomoの山登り復帰後、初の山行記録です。
ヴィア・フェラータとは
ヴィア・フェラータ(via ferrata)とは…
イタリア語で「鉄の道」を意味します。金属製のワイヤーや梯子、ロープ、木製の歩道や吊り橋のように、固定設備を備えた登攀コースです。人工的に設備を整えてあるため、経験の少ない登山者でも、ハーネスとカラビナで身の安全の確保をしながら岩場や崖の上へアクセスできます。現在はヨーロッパを中心に世界中に300以上のヴィア・フェラータがあると言われています。
御在所岳のヴィア・フェラータ
御在所岳は日本の中でもロッククライミングの聖地と呼ばれているメジャーなエリアの一つ。
魅力的な巨石や岩壁が多数あり、関西、東海圏のクライミングのメッカです。
そんな御在所岳にあるヴィア・フェラータは、地域管理者の許可を得てパワーゾーンというアウトドアのツアーガイド会社さんが作ったルートです。
御在所岳の中でもバリエーションルートのため初心者の方はこのルートの管理者であるパワーゾーンさんのガイドで登られることをおすすめします。
難易度
中級レベル
クライミング経験者には難易度はかなり低く感じると思いますが、安全確保のための道具を必要とするため中級レベルとしました。
海外のヴィア・フェラータと比べるとかなりやさしい難易度のようです。しかし滑落すれば大怪我をすることには間違いないでしょう。装備はしっかりね!!
御在所岳のヴィア・フェラータに必要な装備
必要な装備
- 一般的な登山の服装、装備(登山靴、ザック、雨具、飲食物など)
- ヘルメット
- ハーネス
- カラビナ
- スリング
カウズテイル
ハーネスにつないだランヤード2本(2本のスリングとそれにつないだ2枚のカラビナ)で一つのシステムとなります。ヴィア・フェラータではこれを活用し安全を確保しながら登ります。
鎖(ワイヤーロープなど)を通過する
step
1
両方のカラビナを鎖にかける。
step
2
支点に到着したら片方のカラビナを支点の先にある鎖に架け替える。
step
3
もう片方のカラビナも②と同様にかけ替える。
ハシゴを登る
step
1
手を伸ばした先にあるステップに両方のカラビナを取り付けてからハシゴを登り始める。
step
2
片方のカラビナを手を伸ばした先にあるステップにかける。もう片方のカラビナも同様にする。
step
3
ハシゴを登る。ハーネスの位置がカラビナより高くならないよう注意する。
注意
万が一、登りすぎた位置から滑落すると衝撃荷重が大きくなりケガをする恐れあり!同じ高さか、それより低い位置をキープするように意識しましょう。
カウズテイルを活用する前に
まずは三点支持などの基本動作をマスターしてから挑戦しよう。
ヴィア・フェラータと富士見尾根の山行記録2019.05.26
tomoは2カ月弱の山ロスからの、久々の山登りに期待で胸が高鳴ります。
本日の山ウェア
- キャップ(マーモット)
- サングラス(偏光レンズ)
- 半そでTシャツ(アイスブレーカーのメリノウール)
- 下着(ミレーのアミアミとモンベルのメリノウールのショーツ)
- クライミングパンツ(パタゴニアのヘンプのロックパンツ)
- 靴下(アイスブレーカーのメリノウール)
- アプローチシューズ(スポルティバ)
- 25Lザック(グレゴリー)
- クライミング装備(ヘルメット、50mザイル、ハーネス、ガチャ類、グローブ)
- ポール(下山時に足の負担を軽くするためと思ったが不要というか邪魔でした💦)
- その他(雨具、食料など基本の登山必携品)
今回の山行はあえて岩を選んだので、花は期待していなかったですが…
御在所岳は植生が豊かなので様々なお花に出会えますよ。
ヴィアフェラータへの分岐はこの岩が目印です。
ウサギ岩とは反対側に✖印の箇所が、ヴィアフェラータへのルート入り口の目安になります。
注意
ヴィアフェラータはバリエーションルートのため、登山道のようなルートの整備はされていません。はじめていく人には取り付きまでのルートも大変分かりにくいため、必ず熟練した経験者やガイドさんと行きましょう。
ここにたどり着くまでのルートも、テープや踏み後があるものの分かりにくいですよ。
ではではヴィア・フェラータの登攀スタートです!
今までのクライミングとは全く別もの?!
でも、久々の山です。
リハビリハイクの私にとっては、うってつけの難易度だわ。
左右交互に体重移動だよ!
徐々に高度感を増してきますよ。
特徴的な岩が出てきて、さらにテンションアップ!!
この岩の裏に周ります。
この隙間を通りますよ
この岩場の上部からの景色は絶景です!!
高度感あり、迫力満点!
前尾根を登るクライマーの姿も小さいですが確認できますよ!
緑が萌える山肌。
景色が美しすぎて、しばらくここで休憩したくなります。
遠くのクライマーを見ながら、この絶景は一般登山道とはまた別モノだと実感。
クライミングじゃないけど、クライミング気分♪
眼下、右下方には小さく藤内小屋の赤い屋根を認めます。
裏道登山道の登山者さんからは見えるかな?!
さて…ここで私たち。
実はルートを誤ってしまったようで。
(間違いではないけど、バリルートのエスケープルートだったのかな?)
本来なら狭い隙間の大岩(さきほどのヒョッコリハンをした岩)から、そのまま岩を上へとあがっていったのですが…。
なんて、思ってるうちに、中道の登山者の声が聞こえてきました。
中道の一般登山道はすぐそこ。
あれれ?確か、もっと岩場が続いていたような…。
メンバーで引き返すかどうか話をしましたが、引き返さずに進むことにしました。
まもなく中道と合流。
あらら~💦
なんて、あっけなく終わってしまったのでしょう。
途中、同じくヴィア・フェラータを登ってこられたお兄さんから、
あのヒョッコリハンの場所の岩を越えたら、
そのまま上へは上がらず、右へとそれていくと岩場のルートが続いているそうです。
私たちの進んだルートにもテープの印はあったので間違いではないようですが、あの場所がポイントだったようですね。
中道の7合目あたりに出てきた私たち。
8合目の展望所で小休憩しました。
中道はたくさんのハイカーさんでにぎわっています。
私たちはザイルを出しクライミングの準備です。
師匠と登った時は確か、カムは使わなかったけど、今回は念のためにとってもらいました。
私たちは中道の8合目からそれて富士見尾根を2ピッチ、クライミングです。
左手には裏道登山道。
右手にはロープウェー側の景色、本谷、大黒岩、その奥には鎌ヶ岳。
正面は麓の菰野町~四日市の街並みです。
このルート、たった2ピッチです。
ベテランクライマーさんにはザイルも要らないくらい?!
(いえいえ、安全のために使用しますけど)
支点がないため、カムで自分でとるか、ピナクルを利用する必要があります。
2ピッチ目も、もろい岩場ですので、絶対に落石を落とさないよう要注意です。
2ピッチ上がれば、いったん少し広めの開けた地になりクライミングは終了です。
鎌ヶ岳と大黒岩、ロープウェーが行き来する眺めを、富士見岩のすぐ下の岩場から見ています。
藪をこぎ、ひょっこり富士見岩展望台のすぐ下、脇の方から出てきた私たち。
上がってきた場所が富士見岩の看板から近いので、だいたい誰か人がいます。
ロープウェーのお客さん方からは
「そんなところから出てきて大丈夫!?」
ちょっと悪い人?なんて雰囲気で見られます。
中道から登ってこられた登山者さんからは、
ヘルメットやハーネスなどの装備を見てクライミングと察してからか、
「どこから登ってきたんですか?」とたずねられることもあります。
展望の良い場所で、コーヒー、フルーツ、パンなどの軽食を食べて休憩。
裏道で下山します。
裏道登山道で下山するのも久しぶりです。
お花を愛でながら、のんびり下山しました。
だいぶ降りてきて、クライミングエリアへの分岐地点で休憩しました。
見上げると…。
前壁を登るクライマーが見えました。
誰か知ってる人、いるかな~なんて思いを馳せながら岩壁を眺めます。
安全、無事に下山。
復帰後、初のリハビリ山行を終えることができました。