2023年6月30日より全国順次公開された映画「山女」
先日、京都シネマにて観賞して大変おもしろかったので「山女」について調べてみました。
映画「山女」を観てみたい、気になっているけど見ようか迷っているという方はぜひ参考にしてみてください。
映画「山女」の由来は?
そもそも「山女」って、どういう意味なのでしょうか?
当ブログ筆者のtomoは山を趣味としているため、映画タイトルを見た時、山登りをしている女の人の映画かと勘違いしました。
登山をしている人にとっては「山男」の類義語のように「山女」という言葉が自然と頭に入ってくるのですが…。
一般的にはそうでないですよね。
山男とは
1・深山に住んでいるといわれる男の妖怪。大男であったり、子童であったり、また一つ目、1本足などの怪物であったりする。
2・山に住み、猟師やきこりなどをして生活している男。
3・登山の好きな男。長年登山している男。
引用:小学館 デジタル大辞泉
上記はどれもすんなりイメージできる印象です。
山女とは
やまめ…ヤマメ…サケ目サケ科の魚類
あけび…アケビ…キンポウゲ科アケビ科の植物
やまおんな…・山に関わる職業の女性。登山家。きこり・山こもり修行者など
・山姫…山に住む女性の妖怪
引用:Wikipedia
山女とは聞きなれない言葉なので、つい魚かと読み間違いしてしまいそう。
この映画でいうところの山女とは、当ブログ筆者の印象は「山で生活する女性」「社会の枠にとらわれない山で生活する女性」といったところです。
上記、Wikipediaでいうところの山姫、山に住む女性の妖怪に近い意味を含んでタイトルがつけられたと考察できます。
ちなみに英語に訳するとどうでしょう?
Mountain with
が、考えられます。
しかし、さらにこれを日本語に訳し直すと山姥(やまんば)となってしまいます。
「やまんば」と言えば、昔話で出てくるような山奥に住み人を食べるという老女の妖怪のイメージ。
この映画の意図とはちょっと外れてきてしまうような!?
やはり「山女」がしっくりくるのかもしれません。
映画「山女」の原作は?
映画「山女」とは、柳田國男の「遠野物語」に着想を得た、オリジナル作品です。
参考
遠野物語とは
柳田国男が明治43年に発表した岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承などを記した逸話集である。
内容は天狗、河童、座敷童子など妖怪にまつわるものから、山人、マヨヒカ、神隠し、臨死体験、あるいは祀られる神とそれを奉る行事や風習に関するものなど多岐にわたる。
参考引用:Wikipedia
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映画「山女」の見どころは?
7月8日#山女 #生贄俳優山田杏奈
(日本に根付く身分差別・性差別、そして他人と違う者は弾かれる同調圧力社会、時代を経ても本質は今も変わらない。家督を選んだ伊兵衛と凛の対峙シーンは言葉にならないほどすばらしかった。山の空気だけでなく匂いまで伝わる映像は映画館で体験すべし) pic.twitter.com/NwQVQ3xdxk— Film_Addiction (@SWORDFISH_24) July 8, 2023
映画「山女」は18世紀後半の東北地方の寒村を舞台にされています。
- 自然を前に無力な人間の脆さ
- 村社会の持つ閉鎖性と同調圧力
- 身分や性別における差別
- 信仰の敬虔さと危うさ
このような時代背景のもと、過酷な運命に翻弄されながらも
一人の女性が自らの意思で自分らしく生きる事を決断し自分の人生を選び進んでいきます。
上記の写真。
主人公「凛」が山で山男と生活するようになり、髪型が変わっています。
当時の女性の日本的な髪型から転じ、髪をおろし結っていない・しばっていない解放的な印象です。
単に村から離れ、(この時代の)文化的な生活ができなくなったことにより風呂に入れない事や髪結いができないといった理由だけでしょうか?
ブログ筆者には、この時代の女性の当たり前である髪型からとらわれない、とらわれなくなった凛の自由さを表しているなと感じました。
映画の冒頭。
やる気のない、何かをあきらめきったかのような眼差し。
差別に苦しみ、いつも俯いてばかりいた笑顔のない凛の表情から一変、山男と出会ってからの凛の姿にも注目です。
山田杏奈さんの演技力のなせる技とでも言いましょうか。
力強い、何かを決断した時の女性の強さが感じられます。
福永監督
全体に露出ギリギリで撮るということをしながら
夜の牢のシーンの後「真っ暗」と思ったが、ダニエルさんの「これで行こう」で決断。
日本の映画は表情を見せるというのが重要だが、海外の撮影監督ということで全体をフラットにとらえているのが良かったという #山女 pic.twitter.com/sHGPuiTsJ1— mahimahi (@SunriseNaha) July 9, 2023
#山女 主人公凛を演じた #山田杏奈 の目が凄い。その時代の過酷さや自身の運命を受け入れる静かでとてつもなく強い眼差し。山田杏奈は何を演じてもその役が表情に憑依します。映画も同じくらい力強かった。丁寧に創られスクリーンに真実だけが溢れてました。映画館でこそ味わえる映像の醍醐味ですね。 pic.twitter.com/gkL8tFNrdw
— かのし (@EtjeRorYDrR7mSt) July 1, 2023
まとめ
この記事では映画「山女」の由来・原作について
また映画の時代背景や主人公の生き方に着眼し、見どころをご紹介しました。
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