二日目
AM4:30 夜明け前、テントを撤収。
朝食は各自で準備してきたもので簡単にすませ、テント場から行者小屋前のテーブルのあたりに集合です。
全員、サブバッグに必要最低限のものだけ入れ、後の荷物は行者小屋に荷物をデポします。
まだ薄暗い林間。そして赤岳鉱泉を抜け、大同心基部まで下ってきました。
本日、目指すのは横岳の西壁にある大同心稜です。
大同心稜というのは、大同心を巻いて硫黄岳と横岳の間辺りの縦走路へと抜けるバリエーションルートとなります。
大同心をクライミングするクライマーの方々も取り付きまでは同じルート。
すれ違い、少し憧れの眼差しで見てしまいます。
相変わらず、私はせっかく咲いている高山植物を見過ごしていくのが忍びなく、
休憩タイムを利用してチョコチョコとお花の写真撮影もしてました。
コバノコゴメグサ
コゴメグサには変種がたくさんあるようです。
小葉の小米草(こばのこごめぐさ)と書くように、本当に小さな高山植物です。
ようく見ると、お花の形が特徴的で好きなお花の一つです。
イブキジャコウソウ
はじめてこのお花に出会ったのは名前とおり伊吹山でした。
群生しているお花に、たくさんの蝶がヒラヒラと舞う姿が素敵で、その光景が目にやきついています。
ちなみに…
八ヶ岳の名前が冠につくお花が8種類あります。
- ヤツガタケキンポウゲ
- ヤツガタケナズナ
- ヤツガタケザクラ
- ヤツガタケキスミレ
- ヤツガタケムグラ
- ヤツガタケタンポポ
- ヤツガタケイチゴツナギ
- ヤツガタケアザミ(ヤツタカネアザミ)
大同心稜
急登を登りきり、大同心稜の基部まで来たら、いったん大休憩。
時々、大同心をクライミングしているクライマーの掛け声が聞こえてきます。
本日の大本命、岩稜ルートのため少しの油断が命取りになりかねません。
気合を入れ、出発します。
実はここから細かな写真はありません(^_^;)
だって、集中して歩いたり登ったりする場面だから写真撮ってる余裕なんてないんです!!
カメラ出して写真でも撮ろうものなら、師匠に怒鳴られかねません(;>_<;)。
まずは大同心を右へトラバース。
トラバースを抜けるとルンゼのガレ場を登ります。
岩がもろくて危うい箇所もあり、一つ一つの手の掴む岩、足を置く岩に相当気をつかいました。
落石を落として後続のメンバーに怪我をさせないように!
自分がズリッと滑って、滑り台みたく落ちていかないように。
本当に気の抜けない箇所では、昨日の阿弥陀岳南陵よりも緊張しました。
硫黄岳から横岳、赤岳への縦走路へ出てきました。
ロープの向こうから(下から)登ってきた私たちをみて、気づく人は気づくのですね。
どんなルートから登ってきたのですかと声を掛けてくれた若い女性もいました。
やっと安全な!?一般登山道に出てきて安堵しました。
ご褒美に雲ひとつない空と、富士山。
周りを見渡せばアルプスも見えます。
横岳通過時はさすがに夏の八ヶ岳。
梅雨明け後の週末とあってすごい人出でした。
ハシゴや鎖場では、列をなして並ぶ場面も何度もありました。
天気に恵まれ、眺望が抜群に良かったです!!
私たちメンバーは地蔵尾根で行者小屋まで下山。
一度降りてきてしまうと、もう登る元気もなく…。
当初の予定では、再び阿弥陀岳の北陵を登り、御小屋尾根で下山しようという計画でしたが。
みんな 再び登るなんて無理!!
行者小屋から南沢ルートで美濃戸へ。
車の置いてある舟山十字路へは八ヶ岳山荘からタクシーで(2300円)行ったのでした。
花
今回の山行ならではのお花たち
大同心稜の核心部とも言える箇所の岩登りを終えると、
本当に崖と呼べるような過酷な環境にこれらのお花が咲いていました。
めずらしいお花
ウルップソウとは私もはじめて聞いた花の名前でした。
名前からして北海道の地名を連想できますが、その名のとおり北海道と本州では
白馬と八ヶ岳の一部の地域しか咲かない珍しい花だそうです。
ミヤマオダマキ
ミヤマオダマキ
高山帯の岩場や砂礫地に生える多年草。高山に生えているオダマキの意味。
品のある紫色の花弁が特徴的ですね。
コマクサ
コマクサは「高山植物の女王」と呼ばれる、八ヶ岳でも代表的なお花です。
品のあるその姿からは想像できないほどたくましいお花で、他の植物が生育できないほどの厳しい環境にも見事に適応し生きています。
感想
初の岩稜バリエーションルート。
初のテント泊装備で縦走。
初の4人以上のグループ山行。
行く前は、ベテランさんばかりのメンバーの中で自分が足を引っ張ってしまわないかと心配でしたが、なんとか歩ききることができました。
みんなで荷物を分担したり、体調や安全面を気遣いつつ、全員で登頂を果たした時の達成感は充実感がハンパナイです!!
74歳ベテランクライマーの師匠は、やっぱり「師匠」と呼ばれるだけあってスゴイ人なんだな~という気持ちになりました。
クライミング技術はもちろんのこと、要所要所で的確に指示があり、みんなを安全に登山、下山させてくれました。
前回の笈ヶ岳登山でも感じていたことですが、まるで忍者のように音もたてずに登り降りする歩き方は素晴らしいです。
職業的に、この年齢にして、バランス能力、身体能力はスゴイな!!と。
やはり若い時から運動習慣があるのは、健康寿命を延ばすのだと実感しました。
先輩が師匠のことを「神棚にあげてもいいぐらいの人」なんて表現していたけれど…もしかしたら、それは本当なのかもしれない!?
もう「エロじじい」と呼ぶのは少し自粛しようかな(´▽`*)