2023年3月初旬。
北アルプスの霞沢岳へ日帰り登山に行った山行記録です。
冬季バリエーションルートの入門と言われる霞沢岳。
西尾根からのピストンで、快晴の中、北アルプスの雪景色を堪能してきました。
霞沢岳 雪山登山 概要
行程:坂巻温泉-釜トンネル-太兵衛平-霞沢岳西尾根-霞沢岳(帰路、同ルートをピストン)
駐車場:登山口周辺にはないので注意
※坂巻温泉、中ノ湯旅館に宿泊の場合は駐車可能(登山口までの送迎可)
※坂巻温泉は日帰りでも駐車可だが土日はすぐに満車になる、要確認。
坂巻温泉-太兵衛平-幕営地(テント場)付近
早速だが、宿泊者以外にも利用できるお手洗いを借り準備を整える。
(上記写真の階段上、左手にあり)
坂巻温泉から釜トンネルまでは車道の路肩を徒歩で。
車に十分注意したい。
釜トンネル前のゲートに到着するころには辺りは明るくなっていた。
ここでいったん荷物を置いてトイレ休憩。
いきなりトイレの話ばかりで申し訳ないが、けっこう重要。
釜トンネル前には、ワカンをザックに取り付けているハイカーや、テント泊装備のアイスクライマーなどけっこうな人がいた。
はじめての霞沢岳。
同行者も私も、今回は初見の雪山。
事前の情報収集はしっかりしてきたし、それほど難しくもないのでは?と、内心思っているのだがあまり油断していてはいけない。
少し緊張ぎみなため、「念のため」にトイレ行っておきたい気分になる。
けっこう長いです。
トンネル内は途中、照明がついている箇所と、まったくの暗闇になる箇所があるのでヘッデンをすぐに着けられる状態でスタートしよう。
以前からアイスクライミングの山行で、この釜トンネルを徒歩で通るらしいということは知っていた。
しかも、長くて嫌になるというウワサ。
そこのところはどうなんだろう。
当時は自分がこのトンネルを歩くことになるなんて、そんな話を聞いていた当初は思ってもいなかった。
行きの釜トンネル通過は、それほど距離は気にならなかった。
何故なら途中、轟音が響き、何台ものダンプカーが通過していったから。
危ない、危ない。
きっと車は通らないだろうと、油断してトンネルのど真ん中を歩いていると、まさかのダンプカー通過に驚いた。
釜トンネルを抜けるとすぐに二つ目のトンネル「上高地トンネル」だ。
道路は雪がついておらず快適に歩ける。
天気は最高。
焼岳がきれい。
これから見られるであろう景色を期待してテンションもあがってきた。
思わず大興奮!
多分、この景色は山上から見るものであって、取り付きで先に見ちゃうのはフライングかもしれない。
でも、見ちゃったものは仕方ない。
どうか山上でも雲一つないこの雪山を間近に見られますように。
樹林帯を尾根づたいにひたすら登ります。
焼岳、登ったことないけどカッコイイ形してるな。
いきなりの急登にすぐに暑くなる。
同時刻にスタートした他の登山者にどんどん抜かされる。
同行者はフーフー言っている。
秋から減量している私は体も軽く、ぜんぜん疲れない。
あせらない、あせらない。
時々、声をかけつつ写真を撮りながら同行者があがってくるのを待つ。
2000m付近。
おそらくテントを張った跡だ。
ここまでこの急登をテントを担いであがってくるのはしんどいだろうな。
今日の登山者は9割がた日帰り装備の様子。
明日は昼から天気が崩れる予報だ。
今日は天気がくずれる心配もない。
急ぐ必要はない。
のんびり、雪山を堪能しよう。
森林限界~ナイフリッジ~上部岩稜帯~山頂
同行者のペースダウンにじっと待っているも寒くなってきた。
身体を少しでも動かしていたい。
私は写真を撮るからと見える範囲で先に進む。
ここを通過するのは同行者が来てからにしよう。
今頃、乗鞍岳ではスキーヤーがたくさんすべっているのかな?
これだけはっきりしたトレースがあるので、きっと大丈夫だろう。
ここからは慎重にと、同行者と共に進む。
すでに下山者とのすれ違いを何組もしている。
皆さん、早い。
核心部の岩場を超えるのに少し待ちがありそうだ。
岩場にはロープがかかっており、岩と雪のミックスという感じだ。
上手くアックスを使いこなせばロープを持たなくても大丈夫そう。
しかし、念のため持ちながら進む。
こういった場所では慣れない人には冷や汗ものかもしれない。
岩についた雪が凍っていたら、きっとやっかいだ。
岩場を越えると、そこは山頂までのビクトリーロード??
と、思いきや、実はまだ山頂はその先に。
あの頂きからはなだらかに奥へと進むと山頂があります。
霞沢岳に登頂♡
北アルプスの雪山に来ているとは思えないくらい、穏やかな天気。
快晴の中、ばっくに穂高連峰。
こんな絶景を間近で見られるなんて感動です。
日帰りで、こんなところまでこられるなんて!
天候や、休日などのタイミング、山旅に行ける環境に感謝です。
ここ数年は冬はアイスクライミングが中心なので、高山に登る回数は少ないため貴重な雪山山行となりました。
山頂~下山
少しくだり、大休憩をすることに。
ついつい私は長居はせず、サッサと降りてしまいたくなる質なのですが、同行者はゆっくりしたいタイプ。
温かい飲み物、食べ物でカラダも心もリラックスしました。
エネルギー補給をしたら下山開始。
渋滞なくスムーズにおりる。
あとはくだるだけなので気が緩みがち。
ここも慎重に歩こう。
樹林帯に入ってしまえば、下山は早い早い。
気温が高いため、雪がくさってきており下部にいくほど歩きにくさが増した。
標高が下がるにつれ、アイゼンに雪団子がつきさらに歩きにくくなる。
この2本の鉄塔の間へ降りると登山口へと戻る。
天候も安定しており、風もほぼなく暑いぐらい。
転倒や大きなケガなど何もなく安全無事に登山を終えることができた。
中千丈沢のアイスゲレンデ
ここからは、中千丈沢のアイスゲレンデ偵察です。
大正池沿いを進むと、湖面にうつる穂高連峰という映えるスポットもありますよ。
いくつもの氷瀑が連なる中千丈沢。
1本でもいいから登れたらよかったのですが、時間切れでこの日は偵察に終わってしまいました。
ここで、一角獣が人気であり氷の発達も良いため混雑していることを知る。
左の通称ジョーズアップを念のためロープ使用し1本登る。
貸し切り状態なのだが…
見学で終わり。
ジョーズから一角獣の3p目も見えた。
名残惜しいが、見たい氷を見ることができた。
帰路もまだまだ長い。
簡単に行動食をつまみぐいしながら下山となった。
上高地は雪崩の巣窟。
まさにその通りで、こんなのがいくつもあるところを通過する。
時折、サーと細かい音をたてて小さな小さな雪崩が発生しているようだ。
また長い釜トンネルをテクテク歩いて無事に下山完了です。
感想
いつか行ってみたいと思っていた霞沢岳。山岳会の師匠の公開山行で、六百山との縦走登山なんて計画も当初はあったのだが…。コロナとなり、師匠も齢を重ね、結局は霞沢岳に登らずに何年もたってしまいました。
そんないつかはと願っていた山に、こんな良い条件のもと登ることができ感謝です。
北アルプス、厳冬期の雪山山行はとても簡単にチャレンジできるような技量はありません。しかし、少しでもその要素を体感できたのが嬉しいですね。
自身の技量にあった無理をしない登山で、これだけの絶景を堪能できたのだから!大満足です。
下山後の温泉、食事も最高でした。