1999年 夏 養老山
あれは結婚前の夏のこと。
まだ付き合い始めたばかりの私たち(現在の夫)
私からの提案でゼロから登山をスタート。
登山道具は何から揃えたらいいのか、どんな山がいいのか、山をどう楽しんだらいいのか?
右も左もわからない。
誰もがそうであるように、最初はわからないながらも、少しずつ山登りの経験を積んで行きました。
スタートした時期が夏だったからか…
はじめの頃は散々でした。
当時住んでいた名古屋からほど近い山域の鈴鹿、養老山系。
まずは低山で「練習」のつもりが…
ガッスガスの視界不良の中、半泣きで命からがら超えた御在所のキレット。
↑あくまでもimageです(´Д`;)
真夏の養老山はサウナのような蒸し暑さ、九十九折の急登を登りました。
鬱蒼としたシダ植物。
植林の杉林。
景色がかわらない。
蒸し暑い中、とにかく山の斜面に沿ってジグザグに登っていく。
こんなふうにまだ視界が開けてたらいいんです。
でも、林の中は短調な木の羅列。
つまらない、暑い、つまらない、暑い、
汗、ふく、汗、ふく、汗、ふく…
の、繰り返し。
だいぶ、上まで来たな~!もうすぐ?山頂?と思っていたら、笹が腰ぐらいまで茂っていてどこか道だが見分けが付かないぐらい…
そして極めつけが、やっとの思い出登頂したら山頂の展望がゼロだったという・゜・(ノД`)・゜・
(低山はこういうこと、けっこうあります。山頂は展望が開けてないけど、途中に絶景スポットがあるとか、見晴らしの良い箇所がちょっとぐらいはあるとか…)
でもね、こんな山行だったけど。
すご~く、思い出深いというか印象に残っていることがあるんです。
それは登山途中で出会った登山者。
登山道の途中で休憩ポイントに、テーブルや椅子があることありますよね。
そんな場所に来たとき、驚くことに中年の男女の登山者がお昼寝中だったんです。
二人はビニールシートのようなものをひいた上に、ただ寝っ転がってるだけでテントとかタープとかはありません。
あるのは、ビールの空き缶が数本。
山ご飯でちょっといっぱい、気持ちいいからそのまま寝てマースみたいな。
イヤ、この人たちは登頂が目的というよりは昼寝をしに来たのでは??
そう思えてくるぐらい、どうどうと、気持ちよさげにお昼寝中でした。
これ、私の中ではかなりの衝撃だったんです。
山登りとは??
みたいなイメージが誰にでもあると思いますが、私の中では登頂して下山することしか考えがありませんでした。
山でこんなふうに過ごすこともアリなんだな~。
と、いっきに山に対する想いの自由度がアップしたのでした。
登頂だけが登山じゃない。
山でお酒を飲んではいけない、なんて決まりもないし。
昼寝をするために山に登ってもOK。
いろんな山行スタイルがあってよいのだ、とわかった瞬間、
こんなにシンドくて辛い真夏の低山登山だったけど、得るものがありました。
次からは(ザックリとですが)
「山でどう過ごしたいか?」をイメージしながら計画をたてるようになったんですね。
ほんと、ザックリとですよ。
- そこにしかない特異的な景色を楽しみたい!!
- そこにしかない花をめでたい!!
- たまには高山の景色を見たい!!
- 山小屋に泊まってみたい!!
- などなど
そうやって考え出すと山行計画も立てやすくなって、あまり難しく考えなくても
「次はこの山行ってみたいな♫」
という感じで、繰り返していくうちに長く続いている趣味となったわけです。