はじめに
今日は先日、空いた時間に行った大阪府の府民の森、星田園地でのお山歩ハイク途中での出来事です。
一人で山を歩いていると、知らない人でも同じ登山者同士の交流など、けっこう面白い出会いがありますよね。
そんな私の山を歩いている時のちょっとしたエピソードです。
杖
ほしだ園地といえば「星のブランコ」。
長い吊り橋を渡ったら、また少し登り、大阪府内、遠くは京都の市街地まで見渡せるという展望台まで行き、快晴の中、清々しい眺望を楽しみました。
この日は、10月の長雨と台風の影響で園内の管理道路が土砂崩れのため通行止めでした。
よって、冒険の道という「星のブランコ」までのメジャーなルートをピストンするルートを選択。
距離は短いですが、小鳥がさえずる林間の小川の横、段差のある山道を歩きます。
私は良性発作性頭囲目眩症がなかなか完治せず、山に行けないフラストレーションもあり、身近に山を感じられる場所ということでこのお山歩ハイクを決行したのでした。
まだ目眩発作はないにしろ、引き返してくる頃には確実に体の浮遊感を感じていました。
平坦な地を歩いていても、なんだか地に足が付いていないような不安定な感じ、フワフワとした感じがしていました。
やっぱり山歩きはまだ早かった??
薬で目眩と吐き気の症状を抑えているだけでは、根本的な治療をしたわけではないので、耳石が元の位置に戻らないことには症状はなくなりません。
少し残念な気持ちと、いや、これは昼食前に空腹で低血糖症状なのでは??
と、自分でも低血糖とはまた違う「力の入らなさ」を感じつつ、
自分に問いかけながら、一歩一歩、下山時の段差を転ばないように注意して歩いていた時です。
「お先にどうぞ」
少し前を歩いていた高齢男性…というとなんだか堅苦しい感じがする、人懐っこい雰囲気のおじいさんが道の端により私が追い越すのを待ってくれていました。
「こんにちは。ありがとうございます」
と笑顔でいい、そのまま通過しようと思いましたが…
おじいさんが会話を続けます。
「若い人はいいなあ。私も昔は、金剛山ぐらい登っていたんだが。この通り、○年前に(←忘れました(^^;)身体がこうなってしまってからは…」
と手に持ったストックを見せてくれました。
私は以前働いていた病棟が「回復期リハビリ病棟」だった事もあり、すぐにそのおじいさんが、あきらかに左下肢に麻痺がある事がわかりました。
おっとっと(^_^;)
これは登山用のポールだけど、本当の意味での??
杖なんですね。
山が好き。高齢者が好き。
私の中でこの瞬間、いろんなことが頭の中を駆け巡るわけです。
これがもし仕事中だったら、言語道断!!
こんな山の中で、もし転倒でもしたらどうするの?!と。
(あ。私、なんちゃって??看護師です)
転倒して動けなくなっているのを発見されずにいたら?
再梗塞のリスクだって多いにあるし、
もしもの事があった時、ストレッチャーも車椅子も使えない山の中で、救助するのも大変!!
家族が知ったら、絶対にやめてほしいって思うよなぁ…。
咄嗟に杖歩時に転倒しないよう介助する動作をとりそうになってしまったけれど…
セーフ。
無意識に、つい、仕事のようにしてしまいそうになったけれど、おじいさんは決してそんなことを望んでいないよね。
だいたい私自身、まだ目眩症が完治してないのに、山に入って転倒したって自業自得、人のことを心配してる場合か?
あぁ~。
きっと、本当に山が好きなんじゃないかな??
片麻痺があるとわからなくても、外見から十分におじいさんに見えるけど、
(多分若そうに見えたのでしょう)私に、「昔はもっと金剛山にも登っていたのだ」と見栄を張るあたり…
カワイイ♡なぁ。
自分の身体のことを受け入れ、今、できる範囲で前向きに、山を、生活を楽しんでるように見えた、おじいさん。
これからも山を楽しみながら長生きしてほしいな♪
なんだか応援したいような、そんな気持ちになってしまいました。
どうか、転ばないように!!
とだけ声をかけて、私はお先に進むことにしました。
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