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八ヶ岳裏同心ルンゼで初アイスクライミング②

はじめてアイスクライミングしてきました

山の会での雪山山行、山行記録です。

アイスクライミングで人気の八ヶ岳は裏同心ルンゼに行ってきました。

初心者なりにこの日、学んだことなどを自分の復習を兼ねて振り返りました。

思わぬ出会い

突然ですが、

私は山岳医療に関心があります。

看護学生の頃から、いつか自分の趣味である山登りの最中に、何か山で困っている方がいたら少しでも役に立ちたいと思っていました。

まだ看護師になる前から、日本登山医学会のホームページを見て自分も山岳医療を学びたいと考えていました。

興味関心はあっても、まだ看護師としても卵の状態。

まだまだスタートラインにも立っておらず、ただ年数は過ぎていきました。

 

そんな中、山岳看護師として事務所を立ち上げた小林さんという女性の存在を知りました。

時々ホームページなどを拝見したり、インスタグラムでフォローさせていただいております。

 

なんと、その小林さんと今回の山行中、赤岳鉱泉で出会うことができました!

ちょうどプラティパスを持って赤岳鉱泉の建物内にある飲料水の水くみ場へ行った時のことです。

どこかで見たことのある女性がいるな~、と思っていたら…。

首からスタッフの名札のようなものをかけていることに気が付きました。

そこでピーンと、きました。

 

きっと、山岳看護師の小林さんに違いない!!

そこで思い切って声をかけてみると、まさしくご本人様でした♪

小林さんは連休中の3日間、赤岳鉱泉におられ、

赤岳鉱泉で凍傷や低体温症の講習会を行う予定とのことです。

(私は会の山行で来ているので一人だけ予定にない別行動とるのははばかられたため今回は断念しました)

 

小林さんが赤岳鉱泉に来られる予定があったとは知らなかったため、まったくの偶然にビックリ!

私自身も看護師であること、山岳医療に興味があることをお話しして、ずっと聞いてみたかったことをたずねてみました。

すると小林さんは、的確にアドバイスをくださいました。

(親切にお名刺もいただき、ありがとうございました!!)

 

山岳看護師になるには

  • お金も時間もかかる。
  • ロープワークなどの要救助者を助けるための登山技術を習得することが大切。
  • まずは登山技術を習得してから山岳医療を学んだほうが良い。
やっぱりそうだったのか。納得。

山行回数が増え、山岳会にも入会し登山技術(特にロープワークなど)を学ぶうちに、

「山岳医療を学ぶ前に、自分に必要なのは登山技術では?」と感じていたため、小林さんの話をお聞きし、とてもすっきりしました。

まずは一人前の登山者になれるよう、これからも学んでいきたいと思います!!

小林さんアドバイスをありがとうございました

 

裏同心ルンゼ

f1裏同心ルンゼの取り付きです

八ヶ岳は冬季登攀のメッカ

冬壁のゲレンデ、というとやや妙な感じに聞こえるが、八ヶ岳はまさにその表現にピッタリの山といえる。3000m近い標高での凍てつく壁を多数う有しながら、アクセスの良さから気軽に取り付け、ルートも短く、やさしいものが多い。中部山岳とはいえ、かなり内陸にあるため気象条件も良好で、雪崩などの外的危険も少ない。労力的にも東面を除き、ほとんどのルートがベース(赤岳鉱泉、行者小屋など)から半日~一日の行程で往復可能で、アプローチ、下山路も常に人がいてしっかりしている。などの理由から新人を交えた山岳会の合宿やガイド登山に最適で、ここで初めて冬の「登攀」を経験したクライマーは実に大いに違いない。

参考引用文献:新版 冬期クライミング より

まさしく!私もアルパインクライミングの初心者。 冬季登攀、ここからスタートです。

こちらの本も気になる書籍です↓↓↓

f1の取り付きで先着者が取り付くのを待ちました。

さすが、人気のアイスクライミングのゲレンデです。

私たちグループが取り付こうと先着者が取り付き登るのを待っている間に、次々と後続者が到着します。

はじめ、後から来たグループに

師匠

自分たちはここで練習するから先に行って

と、声をかけていたのですが…。

 

私は師匠からアイスクライミングのレクチャー受けました。

基本は大きく足を広げすぎない、小股で進む。

これは無積雪期のクライミングと同じですね。

そして片足ずつしっかり体重をのせること。

アイゼンは下から蹴り上げるイメージで

しっかりアイゼンが効いて氷に刺さっている時の音の違いについて教えていただきました。

これが実感できたことが、良かった点だと自分でも感じます。

アイスクライミングはアックスがしっかり刺さっている、もしくは外れないよう固定できている状態で、アックス一振り(両手)につき足は2~3歩進む要領で、氷の壁を登り進みます。

 

そしてf1で上部までは行かず、フリーで少し練習したら…。

なんと、f1での練習も早々に切り上げどんどん先へと登っていくことになりました。

きれいな階段状のf2

私は師匠と二人のペア。

師匠がリードで登り、私は(他にできる人がいないため)必然的にビレイをします。

今回メンバーのダブルbさんはコンテで登っていきます。

師匠は初め、私がどの程度登れるのかだいぶ不安だったみたい。

本来ならしっかりアイススクリューで支点を作り登っていくところですが…。

師匠にとって裏同心ルンゼはフリーソロでも登っていけるレベル。

明らかに他のクライマーよりもスクリューを打つ箇所が少ないのが私にもわかりました。

おかげで私はスクリューを回収する手間がだいぶ省かれたので、スピーディーに登れた気がします。

青い氷の壁は美しいですね。 欲を言えば青空が欲しい!!

私の登っている姿は師匠には見えません。

師匠には見えていないけれど、なんとか登っています。

はじめてのアイスクライミング。

実はロープワークの練習は山行当日、その場までできていませんでした。

言い訳でしかありませんが、はじめての雪山山行のための道具類の準備や、仕事、家事の忙しさを理由にザイルを自宅で出して練習する時間を作ることが難しかったのです。

だから不安でいっぱいだったんですよね。

きちんと練習できていれば、多少は自信をもって挑めたかも。

ばっちり指導が入ってしまった場面。激写?!されていた…

次のピッチへ進む場面ではリードとフォローがアンザイレンで進みます。

その際、フォローが長いザイルを歩きやすくするために肩がらみにしてまとめます。

この肩がらみがほどけないようにまとめて結ぶ始末が私は苦手なんですよね。

今回もしっかり師匠の指導が入りました…

普段から師匠に言われていることがあります。

師匠

アルパインクライミングはスピードが大事。危険な箇所を安全かつスピーディーに進むためには、正確なロープワークが確実にできないとだめ。モタモタしていたらだめ。

過酷な環境下では、この言葉がヒシヒシと重みを感じられます。

安全に登攀できるパートナーでないと、命を預けることはできませんものね。

これもダメ!写真です。

なぜダメかわかりますか???

ビレイ中によそ見をしているから。(カメラ目線)

ビレイ中はリードの人がいつ落ちるかわかりませんよ!目を離してはダメです。

いつでもザイルを張って、踏ん張れる態勢でいなければいけません。

氷の付き方を見ながら師匠がルートを判断してリードします。

アイスクライミングでは氷がしっかり氷結しすぎていても、もしくは水が滴るように溶けかけていても、落ちる可能性があり危ないです。

師匠のたどったルートを忠実になぞっていますが…。

師匠や先輩からは、フォローは冒険して思い切って登りなさいと言われます。

つまりフォローはザイルでつながっており、もし足を踏み外したとしてもリードの人がしっかりザイルを張ってくれるのでグランドフォールする心配はほぼありません。難しい局面でも、思い切って挑戦しなさい!!という意味なんですね。

上部がハングしていて少し難しいところ。

実はハプニングが2つありました。

まず一つは、ビレイ中に顔(鼻の上)へ落ちてきた氷があたり擦り傷を作ってしまいました。

幸いにも少量の出血程度の擦り傷です。

しかし、例え寒くなくてもバラクラバ(目だし帽)をかぶっておくべきだったように思います。

少しでも顔を守るため。

師匠

「ラックー」と聞こえたら絶対に上を見てはダメ。まずは頭を低くして頭部を守ること。

これは身をもって体験したので、次回からは落ちてきたものを反射的に確認しようとせず、身の安全のために先に頭を守るようにしなければと思います。

 

 

もう一つのハプニングは…

あともう少しで登りきるというところでです。

登っている最中に右足のアイゼンが外れてしまいました。

師匠

膝をつくな!!

と、師匠が喝を入れるのですが、それどころではありません。(膝をついてはいけないというのは、無積雪期のクライミングも同じです)

必死で登りきらなければ!!

アイゼンはテープのヒモでとめてあるので、金具がはずれても下に落ちていくことなく足に引っかかっている状態です。

この時ばかりは焦りました

後、ほんの2~3歩進めば氷瀑を登りきるという場所だったため、私は問題のない左足のアイゼンを頼りにそのまま登りつめました。

f5クライミング終了。

ダブルbさんのコンビも問題なく、スムーズに裏同心ルンゼを登りきることができました。

ちょっと待っといて…と師匠。

裏同心ルンゼを皆、無事に完登できました

ザイルを片付けている間に、師匠は少し先に進み稜線へあがるルートを下見へ。

少しの隙間時間をみつけてテルモスに入れてきた、温かいココアを皆で飲みました。(もちろん、後で師匠にも!)

同じコップで少しずつ、回し飲みしています。

厳しい環境を一緒に乗り越えてきた連帯感が実感できました

稜線へ出ると強風が吹き荒れていました。

実は、ルンゼの中は風がまだマシだったのだとわかりました。

大同心基部をトラバースします。

ここは風も強く積雪が薄く岩肌が見え隠れしています。

登山道なんてありません。

片足を乗せれる程度の岩肌にアイゼンをしっかり効かせながら慎重に歩きました。

ガスで真っ白なため谷底は見えませんが、落ちたらアウトな場所です。

(ザイル片付けているのでアンザイレンもしていません。)

裏同心ルンゼをアイスクライミングで登るよりも緊張しました

 

稜線へ出ると強風が吹き荒れていましたが、一応、登山道?と呼べる程度のふみ後のしっかりついたルートとわかる道に出ます。

少しホッとできました。

風をよけれる樹林帯に入り、はじめての大休憩を取りました。

昼食は簡単な行動食です。

やっと大休憩。

普段なら休憩時には寒くなるので上着を一枚はおりますが、この時はそのままの恰好です。

実はクライミング中からずっとこの赤いジャケットを着ています。

今回、ダウンジャケットを忘れたことで山行直前に購入したアークテリクスの中間着です。

クライミング中でも寒さを感じることなく過ごすことができました。

ヘルメットをかぶっていてもフードをかぶることができたので首元も暖かかったです。

 

休憩を終えたら樹林帯をいっきにくだり、

私たちは安全無事に赤岳鉱泉へ下山することができました!!

※そのあとの予定として、翌日のジョーゴ沢でのアイスクライミング練習もありましたが、予定を切り上げ下山することになりました。

おまけ

アイスキャンディーは未踏峰?!

はじめてのアイスクライミング。

雪山テント泊山行。

学びの多い山行だったと実感!

 

自分なりに今回学んだことを盛り込みながら記録に残してみました。

教えてもらったのに忘れてしまっていることがまだまだあるかもしれませんが(;^_^A

これからも安全登山を心がけ、一人前の登山者になれるように経験を重ねたいと思います。

師匠はじめ先輩方、楽しく安全な山行ありがとうございました!

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