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【御在所岳アイスクライミング】藤内壁 前壁ルンゼ

近年の暖冬で、しっかりした氷結がなされず、なかなか御在所岳でアイスクライミングができませんでしたが、今年は良いとの情報!!

この記事では御在所アイスのゲレンデ「前壁ルンゼ」を山行記録とともにご紹介します。

概要

概要

場所:鈴鹿山系 御在所岳 

種類:アイスクライミング 日帰り

目的:トップロープでアイスクライミング練習

山行日:2022.02.11

メンバー:Mさん、Tさん、Bさん、tomo

御在所岳 藤内壁 前壁ルンゼ

御在所岳 藤内壁 前壁ルンゼ

☆近年は暖冬のせいでしっかりした氷結は数年ぶりである(2022年現在)

Pグレード(中心となる氷瀑の技術的ピッチグレード):Ⅳ~Ⅳ+

日程:日帰り可

前壁に約50m(感覚的には40mぐらいか?)フェース状の氷

傾斜:60~80度ぐらい

氷の発達状況によるが下部はベルグラ状

トップロープ練習に最適なゲレンデだよ

 

アプローチ

冬季ゲート前からの四日市方面

コロナのせいで会の公開山行も件数が減っている中、本日はアルパインの師匠Mさんと大先輩Tさんをお誘いし、Bさんと私の4人でアイスクライミングの自主山行に出発です。

山はしっかり積雪しています

ふもとは梅も咲き出し、春の気配を少しずつ感じ始めましたが、山に入ればいっぺん!

今年は御在所岳でもしっかりした積雪しており、雪山です。

天気予報は晴れ。今日は天気のくずれる心配はなさそう。

いつもの裏道登山道の樹林帯も明るいです。

 

途中、通過点にある藤内小屋にてしばし休憩。

だいたい小屋の前で知り合いに会うのが常です。

「今日は奥又に遠征してこられたグループがいったよ」

「○○さんは、もうだいぶ前に出発したよ」

「3ルンゼはだいぶ(氷に)雪がかぶってしまったらしいよ」

などなど、情報交換や近況など話がはずみます。

山小屋のご主人やボランティアスタッフ(ほとんどが山屋さんで、地元の山岳会に所属している方が多い)の方々に聞けば、親切に山の情報を教えてくださいます。

藤内壁出合から1ルンゼ中又を見上げる

クライミングの場合、この藤内小屋でハーネスやガチャ類を装着し準備する方も多いです。

私たちの山岳会はおもに藤内壁出合(5合目あたり看板あり。一般登山道からクライミングゲレンデの分岐にあたる)で装備を装着することが多いです。

裏道登山道から前壁ルンゼが良く見える。 写真下部に前壁ルンゼへむかう先行者

私は恥ずかしいですが、トイレが近いのでハーネスを先に装着してしまうと面倒なため、今回は前壁ルンゼの取り付きについてから装着することにしました。

写真からもわかるように、一般登山道の裏道から前壁ルンゼの取り付きへは近く、ほとんどが一般登山道の歩きのため準備は現地に到着してからでも十分です。

ロープセッティング

前壁ルンゼに到着。

まずは上記写真の下部にある大きな横長の岩の上あたりがちょうどよい段差のあるテラス上になっているため、ここに荷物をおろしました。

先行者の2人は、各自2本TR(トップロープ)をやったら撤収するとのこと、先に比較的、氷結具合の良い写真むかって左側に張りに行かれました。

必然的に私たちは緑で示した右側のラインにTRをセットすることになりました。

Bさんと私でTRを張りに行くことに。

上記写真のピンク色のラインで歩いてはりにいきました。

参考

TRの支点には、左右に各1か所ずつ人工の支点があります。

今回は少しだけ氷を削り使える状態にできたようです。

TRの設置者は滑落防止のために短い距離ではありますがしっかりした木から懸垂下降でアンカーポイントまで行くか、今回の私たちのように二人一組でビレイし確保したうえで設置に行くことをおすすめします。

前壁ルンゼは無積雪期に前尾根マルチピッチクライミングの下降路として使われているので、雪のない時期にボルトの位置を確認しておくとよいですね

師匠がロープの長さを調整してくれました

今回のロープはシングルロープの50mが2本だったため、2本繋げてあまりの長さ部分が長くなるために長さ調整を師匠がしてくださいました。

練習風景

岩や氷から草が頭を出しているほどの氷の薄さ

TRを張り終わり、まずは今回のCLのBさんが1本目。

薄い氷りのアイスクライミングはBさんも私もはじめてです。

氷の薄さの違い、わかりますか?

Bさん、よく足元がみれていますね。

手前に写っている方は隣のラインにロープを張っていた別グループの方です。

どちらかというと写真を見て左側のラインの方がしっかり氷が発達している部分が長く見えました。

私たちの登ったラインは薄いですが下まで氷がつながっている

空が青いのでよく映えますね

Tさんも慎重に、かつ確実に登っています

Tさんとは、アルファルンゼで昨年(か一昨年かな?)ご一緒して以来です。

あの時は私が3ピッチめのほんの少しのバーティカル部分がうまく乗り越えられなくて、恥ずかしい姿をお見せしてしまったので今回は少しは私の成長したところが見せられるといいな、と密かに私が思っていました。

 

師匠からみんなへ「ワルツをおどるようなリズムで」とアドバイスあり!

Tさんは「せいぜいドジョウすくいかな」なんて冗談を言っていましたが、しっかり安定した登りです

「もうお腹いっぱい!」なんて言っていたけれどノーテンで安定していました

先輩方のアックスはストレートに近くグリップ部分はハンドル型ではない(現在のメジャーなものはペツルのノミックなど)ため、バーティカルには不向きかもしれませんが、お二人とも愛用のアックスを使いこなしているように見えました。

70代後半の人の身体能力とはとても信じられない!!

師匠はひととおりみんなの登りを見終わった後に登りました。

雪山もアイスクライミングもお久しぶりだったにもかかわらず、ベルグラのアイスを安定して登っておられました!

師匠とのアイスクライミングははじめての裏同心ルンゼいらい3年ぶりです

ベルグラとは

岩に水が流れて、その表面が凍った状態をベルグラという。スクリューがしっかり入る20センチ以上の厚さがあれば問題ないが、薄い氷では大変恐ろしい思いをする。岩にピックがぶつかることもあり、プロテクションもセットできずにナンナウトしたりアイスフックやボルトをプロテクションにすることもある。

アックスの先端をひっかけて登るようなデリケートなクライミングを強いられる。

参考引用文献:山と渓谷社 アルパインクライミング 保科雅則 著

真横から写真撮影できるのも良いですね

私の番です。

(ワルツでなく)盆踊りにならないようがんばります

私も氷の壁をワルツをおどるように軽やかに登ることが理想であり、それを目指して修行中といったところ

アイゼンの爪もアックスのピックも削れていないかヒヤヒヤ

ここまで薄い氷ははじめてで、岩をたたいてしまいそうでなかなかワルツというわけにはいきません。

慎重に厚みのある氷の部分を狙って足も手も氷に刺していく感じです。

薄氷にひびが入り刃を抜く時にも気をつかった

足も手も、なるべく厚みのある氷の箇所を慎重に探しながら

スタートから中間ぐらいまでが一番薄かった

上部にいけばいくほど氷がしっかり張っているのがわかりました

各自2本して時間がきたので終了です。

片づけ撤収。

皆さんベテランばかりなので何においても素早くスマートです。

今回は参加くださりありがとうございました

下山時に途中、藤内小屋でハーネスやガチャ類の装備品を解除し片づけ&休憩します。

この時に撮っていただいた記念の集合写真はお気に入りの1枚です♡

ベルグラのアイスクライミングは簡単ではないけれどおもしろかったです

初心者の方には

写真左側の小さい滝

初心者の練習におすすめ

上記写真の左側の小ぶりな滝は、よく初心者の方のアイスクライミングのトップロープ練習に山岳会の山行でも利用したそうです。

御在所岳のアイスクライミングのゲレンデとしては一番やさしめと言われているのは3ルンゼですが、前壁が氷結したときはこちらでもよさそうですね。

3ルンゼには藤内沢を詰めるか、ロープウェイ利用がされていますが、前壁ルンゼならアプローチにそれほどの危険を伴わず(一般登山道+α程度)料金もかからず歩きで行けますね。

滝が雪で埋まっていたり高さはないものの、人気の3ルンゼデビュー前にアックスの振り方やアイス用アイゼンの蹴りこみ練習など初歩的な練習場としてはちょうどよいのではないでしょうか

参考

 

アルパインクライミングの本の中にアイスクライミングの章があります

英語ですがコチラもおすすめ

バーティカルアイスにはグリップがハンドル型が登りやすいです

 

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