日程・概要
2018年7月14日~15日(テント泊)
山域:南八ヶ岳
山行目的:横岳西壁・大同心稜を登る
メンバー:6名
概要
八ヶ岳の中でも標高は3番目とはいえ、一際険しい山容の阿弥陀岳。
阿弥陀岳南陵といえば、今年3月に起きた滑落事故は記憶に新しい。
現場を目撃し救助要請をしたメンバーとともに、あの日を振り返りながら同じルートを歩きます。
翌日は横岳西壁の大同心基部を右へトラバースし、大同心と小同心の間、大同心稜を登ります。
コース
1日目:舟山十字路⇒広河原⇒立場岳⇒P3⇒阿弥陀岳⇒行者小屋(テント泊)
2日目:行者小屋⇒赤岳鉱泉⇒大同心基部⇒大同心稜⇒稜線⇒横岳⇒地蔵の頭⇒行者小屋⇒美濃戸
※途中、阿弥陀岳からレコ切れてますが、行者小屋へ降りています。
アクセス
登山口まで自動車(tomoは、奈良からバス利用。メンバーと合流し車に同乗)
登山口:舟山十字路
下山口:八ヶ岳山荘(八ヶ岳山荘⇒舟山十字路までタクシー2300円)
アブとの戦いから始まった…1日目
奈良から出発し名古屋で前泊した私。
本当に寝るだけ(^_^;)という感じで、あっという間に出発の朝を向かえ…
早朝、今回の山行メンバーと合流し車1台に乗り合い登山口へと向かいます。
AM9:30頃。舟山十字路に到着。
無料で15台程度が駐車できます。(トイレはありません。)
ですが、この時間。
すでに舟山十字路も車がかなりいっぱいです。
車を停め、降りるなり…
↑↑この写真は、視覚的にわかりやすいので登山途中(立場山の近く)撮らせていただいた1枚。
実際にはここまでアブにくっつかれている人はこのおじさん以外にはみかけませんでしたが、
この時期の八ヶ岳は、これほどの量のアブが登山中(特に樹林帯、水場の近く)まとわりつきながらの苦行となることは覚悟してください。
ハッカ油で虫除け対策は完璧!!
と、思っていた私ですが…。
服の上からもアブにたくさん刺されてしまいました。
(一週間たったいまだに跡が残り痒いデス(;>_<;)
刺された箇所は両腕の前腕。
不思議と刺された箇所は腕ばかり…。
ハッカ油を休憩ごとにこまめにふりかけていたのにも関わらず、片腕だけで8箇所刺されていたました(;>_<;)
そこで、舟山十字路から装着していたこのアイテムだけが唯一有効だったと気がつきました。
防虫用のネットです。
このネットを装着しているからといって、息苦しいとか、前が見えにくいということもなく普通に登山できました。
ネットに覆われている首から上の部位で刺された箇所はありません。
一つ、注意することは水分補給の時にネットを外し忘れて、ネットをしたまま飲み物を飲みそうになることでしょうか笑
せっかくの山ガールファッションに身を包んでいても、アブに刺されてお岩さんみたいなお顔になってしまってはだいなしです。
舟山十字路から広河原までは単調な林道歩き。
立場岳へは、地味~に急登が続きますよ。
それでも途中の休憩時間にチョコチョコとお花を撮影するのを忘れずにね♪
本当は他にも撮りたいお花、めずらしいお花があったのですが…。
今回はグループ山行。
一人だけ立ち止まり写真撮影をして皆さんに迷惑もかけられず…。
立場岳(2370m)の山頂は展望もなく、簡単に休憩して通過しました。
阿弥陀岳南陵(P2~P4)
「青ナギ」と呼ばれるこの場所。(2359m)
山が崩壊して草木が生えていない場所です。
積雪期はかなり危険箇所!?
展望も開け、やっと涼しい風を感じられるようになりました。
正面には阿弥陀岳…ですが、ガスが…。
無名峰で少し早めにハーネス、ガチャ類をつけ装備を整えます。
皆で無事、通過するよう気合を掛け合います。
それを待っていたかのように、阿弥陀岳にかかるガスも切れてきました。
クラシカルなアルパインルート、本格的な岩稜帯を歩くバリエーションルートです。
山と高原地図にも記されている「南陵は岩登り経験者意外は立ち入らない事」の場所ですね。
ルートを歩み進むと…
3月に起きた滑落事故の様子を思い出すようにメンバーの皆さんから「ここで隣同士でテントを張っていた」
など徐々に当時の状況を語られていきます。
あの日、この辺りは爆風だったとか。
特徴的な岩へ。右下からルートが続いています。
積雪していても夏道と同じようにルートがついていたそうです。
この場所でメンバーがP3ルンゼを登る順番待ちをしていた時、先行していた7名が滑落していくのを目撃…。
そしてこの凹みの場所まで戻り、警察へ滑落事故の通報し、風をよけ待機していたそうです。
ここを通過する前に、メンバーそれぞれが合唱しご冥福を祈りました。
岩には複数の支点、ワイヤー、ロープが残っています。
「雪に埋もれているから掘り出して自己ビレイをしないと」とメンバーのKさんが当時の状況を想定し教えてくれました。
おそらく先頭者がこの辺りで落ちたことが滑落自己の原因と思われる、そうです。
「止めてー」と叫んでいた…。
なすすべもなく、谷底へ消えていった…と。
まさに核心部。登りやすかったですが、支点は二ヶ所、真ん中の高台と右奥の壁。冬季は見つけれなかったかも。アイススクリューとか工夫が必要ですね。
引用:メンバーのKさん ヤマレコのコメントより
私たちは3人1組のグループに分かれ、2ピッチ、ロープを使いP3のルンゼを登りました。
残念ながらその核心部を登っている最中の写真はありません。
命に関わる、集中の場面ですからね。
カメラを出している余裕なんてありません。
3点支持で落石を落とさないよう、慎重に…。
P3の核心部を無事、全員通過しました。
ハーネスを解除。みんな安堵の顔。
ハイマツの花粉に辟易しながらも、難なくみんなで阿弥陀岳山頂へ。
阿弥陀岳山頂から。
赤岳は本当に山肌が赤いのですね。
阿弥陀岳山頂からコルまでも、気の抜けない下りが続きました。
落石を落とさないように、転倒転落しないように慎重に、静かな足音で降ります。
PM18:00頃。
行者小屋に到着。
予定よりだいぶ時間がかかりましたが暗くなる前にテントを張ります。
到着が遅すぎたためにテントの設営地を探すのに時間がかかってしまいました。
テントを張った林間は、陽が暮れると少し肌寒く、
私は薄手のソフトシェルとレインウェアを重ね着しました。
皆で囲む鍋が美味しかった事!!
乾杯のビールが美味しかった事!!
夜中に目が覚めトイレに起きた時に見た、林間のちいさな空にまたたく星空…。
八ヶ岳山行1日目。
無事に終了、おつかれさまでした。
2日目に続きます♪