2019年、夏山山行に備え所属している山岳会(アルパイン部)の訓練山行に参加してきました。
バリエーションルートでのプチ・アルパインなおもしろい山行でした。
通称「棚山ジャンダルム」は低山ながらクライミングや岩稜帯の良い練習場です。
棚山ジャンダルムとは
愛知県奥三河と言えば紅葉の名所でもある鳳来寺山の登山が有名ですが、その近く
棚山とは宇連山と鳳来寺山の間にある穏やかな高原地帯で、東海自然歩道とつながっています。
一般的な観光スポットとして瀬戸岩からの眺めが絶景と言われています。(今回の私たちの山行では行っていません)
参考になるマップがあったので山びこの丘さん(パン、レストラン、和食など飲食、キャンプ、BBQなどのある複合施設)より転載させていただきました。↓↓↓
上記のマップ内で吹き出しの中に表記されているコンビニ・サークルKは、今はファミリーマートになっています。
「棚山ジャンダルム」とは、愛知県奥三河にある棚山高原の中にある岩稜帯です。
ジャンダルムといば、穂高連峰にある奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜が思い浮かびます。
「ジャンダルム」とは国家憲兵の意味で、山岳用語では尾根上の通行の邪魔をする岩のことを言います。
※ちなみに、奥穂高岳のジャンダルムの他、剣岳にもジャンダルムと呼ばれる岩壁があります。探せば、もっと〇〇ジャンダルムがたくさんあるかもしれませんね♪
と、言うわけで…。
棚山にあるジャンダルムのような岩壁を棚山ジャンダルムと呼んでいるのですね。
では、「棚山ジャンダルム」この名称はいったい誰が最初に命名したのでしょうか?
私の調べる範囲では昔、地元の山岳会の方が呼び始めたのがきっかけのようです。
概要
- 山行目的:夏山訓練・岩場通過とロープワークの練習
- コース:(当初の予定)大石登山口~下部岸壁~棚山ジャンダルム~東海自然歩道~下山口~福川~駐車地
- コース:(実際)タイムアウトのため棚山ジャンダルム登頂後、昼休憩しルートはピストン(懸垂下降&クライムダウン)で下山
- 参加者:アルパイン部6名
- 装備:一般的な登山必携品とクライミング装備(ザイル・ハーネス・ヘルメット・シュリンゲ・カラビナ・確保器など)
当日の天気は、曇り時々小雨から晴れへ。
岩は少し湿っている箇所あり。岩に生えたビッシリの苔も要注意です!
山行レポート
山行当日の朝。
かなり時間に余裕を持ち待ち合わせ場所へ着いたものの…。
しばらくメンバー全員が集合できるまで待ちぼうけに。
近くのコンビニで時間をつぶしました。
この時、お天気の具合を見ながら正面の山に見える岩壁を見ながら、アレに登るの???
なんて、みていたけれど(;^ω^)
棚山ジャンダルムではなかったみたい。
当初の予定よりだいぶ時間遅れ、全員で出発です。
ショートカットするため、私たちは林道わきの広めの路肩に車を停車。
ルートは師匠のルーファイで杉林の中を尾根道に出るまで直登しました。
尾根道へあがると、まもなくルートに岩があらわれはじめました。
杉林と同じく、常に急登です。
大きな岩に交じり、小さな岩はもろく落石しやすく、落とさないよう少し神経をつかいます。
岩が薄っすら緑になっているのがわかりますか?
苔がはえているため滑りそうで気をつかいました。
大きな岩場の下部に到着。
ここで師匠から二人一組となり、ザイルは半分の長さにするよう指示。
ここから先はフリーでも登れるレベルではありますが、あえて訓練のために支点確保しながら登ります。
benさんと私のバディはグループのしんがりです。
そう。棚山ジャンダルムの姿が見えてきました!
名前の通り?思っていた以上に、ジャンダルムっぽい!
両方が落ちたらヤバイ感じで切り立っていますね。
苔がいやらしい感じだけど、アプローチシューズで登れます。
ちょっとした待ち時間はコソっと写真撮影。
あの白い建物はブッポウウォールという、人工のクライミングの壁です。
愛知国体の際に建てられたものだそうですが、今では老朽化のため使用禁止となっています。
早朝には小雨が降っており、ハプニングもあいまって、一時は山行中止かと危ぶまれましたが、こうして登ってこられ、絶景が見られてよかったなと感じます。
下部をフリーで登り、50mワンピッチギリギリで行けそうだけど…。
私たちはロープワーク練習も兼ねているのでピッチをきっています。
木やピナクルで支点を確保し登っています。
今回はカムも準備してこられていましたが、使用されませんでした。
ここは広めのチムニーといった感じ。
背の高い(足、リーチの長い)人は左手側からなんとか手掛かり足掛かりを探して。
私は背が低いため右側から。両足を開き岩と岩に足を突っ張るように少しずつ登りました。
クライミング事体はそれほど難しいこともなく、全員、スムーズに登れました。
クライミング、登攀終了。
山上からはぐるりと一望できます。
いったんここで良い景色を眺めながら大休憩にしました。
休憩を終え、下山開始です。
ここ落ちたらヤバイよね💦というような、両端が切れ落ちた箇所もあり、変化がありおもしろいです。
途中まで、周回のつもりで進むも…。
時間的にかなりオーバーすることを予測し、来た道をピストンで引き返すことになりました。
再びザイル使用しまずは懸垂下降です。
低木や草が生えているため、岩の形状がわかりにくいです。
ゆっくり慎重に足元を確認しながら降りましょう。
下から師匠がカメラ片手に構えていました。
でも、私は風でザイルがゆれ、灌木にひっかかるため気になって仕方ありません💦
途中、クライムダウン中の写真はありませんが、私は下山の方がより難しく感じます。
師匠やメンバーからアドバイスをもらいながら、手掛かりのない苔の付いた急傾斜の大岩を降りたり、前向き、後ろ向きで慎重に岩場を降りてきました。
そして、杉林の中に入った時にはホッとしましたね。
師匠のルーファイのおかげ?
時々、確認しながらも遠回りせず、樹林帯の中をショートカットしまっすぐに駐車地まで戻ることができました。
まとめ
棚山ジャンダルムは低山ながら岩稜帯の通過訓練にピッタリ。山上では眺望も良く、天気がよければ爽快感が得られるでしょう。3000m級の岩稜帯に行く前の訓練山行に最適です。また周回する場合は的確なルーファイが求められます。