2021年12月初旬 某日
アイスクライミングをはじめて3年目。
初めてアイスクライミングをしたのも八ヶ岳の裏同心ルンゼでした。
半分、吹雪のような天候の中、裏同心ルンゼを登攀した時の経験は今でも思い出深いです。
アイスクライミングは楽しさや達成感、充実感もひとしおですが、事故やケガが多いスポーツでもあります。
私も人口氷瀑や易しめのアイスゲレンデでコツコツと練習を重ね、
やっと「よし、リードに挑戦しよう!」と思えるようになったため満を持してのデビューができました♡
この記事では初級~中級者におすすめの裏同心ルンゼについてご紹介します。
アイスクライミングにおすすめ八ヶ岳西面の裏同心ルンゼ
おすすめ理由その1
まずドーンと立派な山容の大同心を前方に認めます。
写真のように、八ヶ岳ブルーに雪の白、霧氷に囲まれ氷の壁を登るのはまるで「アナと雪の女王」の世界のよう!
またいくつもの氷瀑を登りつめることで、大同心が近づいてくる感覚、
振り返ると、天候が良ければ諏訪湖の向こうには北アルプスが目視できます。
おすすめ理由その2
裏同心ルンゼはマルチアイスの入門ルートと呼ばれています。
難易度もそれほど高くない(Ⅳ位)手頃な氷瀑を連続して登攀(F1~F5)するので楽しさ満載。
※滝の数え方は下流からF1.F2.F3と続きます
- F1…約15mの易しい氷瀑
- F2…3段で30m~40m程度 各段ともに傾斜あり.
- F3…約10m 60~70度程度の傾斜あり
- F4…約10mナメ滝
- F5…約10m 70度
- F6…涸滝
F6の下あたりまでルンゼを詰め、大同心基部を右へ上がり大同心稜へ。
参考引用文献
おすすめ理由その3
八ヶ岳は冬でも登山口までバスなど公共交通機関でのアクセスもしやすいので、車でのアプローチしか難しいアイスクライミングのルートが多い中、計画のしやすさがありますね。
またマイカー利用の場合でも、林道の状況によっては赤岳山荘まで車で乗り入れできる場合もありますよ。(事前の情報収集をしっかりして、四駆やチェーンの使用など準備はしっかりと!)
裏同心ルンゼのとりつきまでは赤岳鉱泉から約30分。
赤岳鉱泉をベース基地(宿泊地)とするなら裏同心ルンゼだけでなく、
- 1日目はジョウゴ沢、2日目は裏同心ルンゼ
- 1日目は赤岳鉱泉のアイスキャンディで練習、2日目は裏同心ルンゼへ
など山行計画にも幅ができます。
美濃戸口からのアプローチだけでも、峰の松目沢や南沢大滝、小滝。大同心大滝、摩利支天大滝などなど…ワンシーズン通い詰めても飽きることないほどの滝がありますよ。
他、広河原沢エリアや地獄谷エリアもあります。
裏同心ルンゼの適期
新雪の時期
氷が露出している11月下旬~1月初中旬、と言われています
おすすめ
氷結の便りが聞こえ始めると、週末には大渋滞するほどのアイスクライマーが集まります!
できれば混雑が予想される週末は避け、平日に行くのがおすすめです
どうしても週末しか行かれない場合は、皆さん朝一番に行動開始はじめるので、ひととおり皆が取り付き終えた午後からの登攀など時間をずらすというパターンもありですね。
しかし、この場合は、たくさんのパーティーが登り終えた後なので氷がボコボコ、ボロボロになっていたりすでに階段状になってしまっている場合もありますのでタイミングが重要になってきます。
裏同心ルンゼ+α
一般的に裏同心ルンゼを登攀後は大同心稜を赤岳鉱泉へ下るのが通常ですが、大同心や小同心へ継続登攀してみては?
天候など条件が良ければ裏同心からアイスクライミングで大同心基部まであがりクライミングで横岳へ登頂!というのも面白そうですよ
これぞアルパインクライミングといった登攀ですね♬
必読!裏同心ルンゼに行く前に
近年、大人気のアイスクライミング!
実は裏同心ルンゼは、経験や技術の未熟な初心者が多く訪れることから事故が多いエリアであるともいえます。
まずは自分が氷に慣れていますか?
アイゼンやアックスの使用に慣れていますか?
マルチピッチクライミングの経験はありますか?
裏同心ルンゼはアイスシーズン開始の時期が適期なため、まだ練習不十分が初心者がいきなり行くと、アイスの登攀技術自体が未熟であったり、アイゼンの故障など不足の事態に対応しきれず事故につながることもあります。
赤岳鉱泉のアイスキャンディとは幅40m奥行30m高さ15mほどの人工氷瀑です。
赤岳鉱泉ではアックスやアイゼンのレンタルや、初心者体験会などもあり、アイスクライミング初心者が本番の滝に行く前の良い練習場と言えます。
氷の傾斜も緩やかなラインからバーティカル面など、さまざまな氷の傾斜を練習できます。
装備
ギアは自分に合う物が一番!
お高い買い物なので慎重に購入へ踏み切りたいですよね。
そのためにも、赤岳鉱泉や岩根山荘のように装備をレンタルしてまずはいろんな道具を実際に使ってみるのもおすすめです。
裏同心ルンゼはバーティカル(垂直な氷瀑)というよりは、傾斜のゆるい滝に近いと言えます。
ですからアックスはアルパイン専用のアックスよりも、アルパインルート全般で使えるアックスが向いていると思います。
アイスクライミングが楽しくなってきて、もっとバーティカルな氷瀑を登ってみたい!
となってきたら、独立したハンドルグリップがついたアイスクライミング専用のアックスを使ってみては?
アイスクライミングは雪山登山の技術とクライミング技術を習得したうえで、さらに特殊な道具を使うので簡単には足を踏み入れられないのも事実だと思います。安全にアイスクライミングを楽しむには、相当な準備が必要と私は考えます。
でも、今は人工氷瀑のある施設も少ないですが出来てきているので最初の一歩を踏み出してみては?
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