長距離の登山中や下山時に足裏が痛くなったことはありませんか?
私自身、山岳会に入ったばかりの頃のこと下山時に涙が出るほど足が痛くなった経験があります。

登山を楽しむためには足は大変重要です。
せっかくの楽しい登山の思い出が、つらい足の痛みに負けてしまうのは嫌ですよね。
今現在の私は週に1~2回程度の日帰り登山もしくはクライミングを継続していますが、足裏の痛みは改善しました。
時には長距離の泊り山行をすることもありますが、下山時に足裏が痛くなることもありません。
一日中、立ち仕事である看護師として働いていますが足が痛くなることもなく過ごせています。
この記事では足裏の痛みを改善した実体験から、その方法となぜ痛みが改善したのか?を紹介しています。
実際のところ私自身は受診し診断されたわけではありません。
看護師として整形外科に勤務しだしたのは、自身で対策を行い足裏の痛みが改善してからのことです。
なぜ自分の足裏の痛みが起きたのか、なぜその痛みが改善されたのか?
看護師として整形外科で働き日々、診察や業務の中で学び後から自分の場合も「こうだったのか!」と、わかった経緯があります。

なぜ足の裏が痛くなるの?
実際の山行では、どういう時に足が痛くなったのか?

縦走登山は登山の醍醐味?半面、足の痛みの心配も…

今でこそ、長距離の山行でも足裏が痛くなる心配をすることはなくなりました。
しかし当時は本当に痛み止めを内服しても改善しない足裏の激痛に、山を続けて行けるのか悩んだものです。
下山後、登山口にある駐車場までの長い長い林道歩きが本当につらかったなぁ
私が足裏が痛くなった時の特徴
- 一日の総歩行距離が10キロ以上のロングルートの下山時(ルートの終盤)
- テント泊やクライミング道具などの重装備
長時間+長距離+荷重(重い荷物)
この条件の時に痛みが出ていた!

なんて考えながら、山岳会の先輩方がサクサクと歩いている中で、たった一人激痛に耐えながら歩いていたものです。
足底筋膜炎(足底腱膜炎)
登山中の体の痛みで代表的なのは膝や腰ですが、なぜ私は足の裏が痛くなるのだろう?

出典:https://www.dk-sc.com/common/img/service1/plantar01.jpg
足底腱膜とは
足底にはかかとの骨から足の指の付け根にかけ、強靭な繊維状の組織である腱が幕のように広がっていきます。これが足底腱膜です。
足底腱膜は足底の土踏まず(縦アーチ)を保持して、歩行やランニングによる衝撃を吸収する役割があります。さらに、その吸収した力を蹴りだしのエネルギーとして有効活用する「巻き上げ(ウィンドラス)機構」にも関与しています。
そのため足底腱膜の働きが悪くなると、足底が地面に着地するときの衝撃吸収や蹴りだす力のバランスが崩れて、走りにくさや歩きにくさを感じます。
参考引用:痛みwith

いろいろと足底(足裏)の痛みについて調べていると「足底腱膜炎」という疾患名が出てきます。
ポイント
- 起床して最初の一歩が激しく痛む
- 急に歩き出すと痛む
うーん。私はここまでの症状はないな。
痛くなるのは上記に記載した通り、長距離歩行時(特にロングルートの登山の終盤や下山)や、重装備での歩行でだから足底腱膜炎とまでは言い切れないな。


出典:痛みwith
当サイト管理人のtomoの登山時の足裏(足底)の痛みの原因
- 登山の長距離歩行によるオーバーユース(使いすぎ)
- 硬い岩稜帯歩きや、段差の大きな箇所の歩行による衝撃
- 体重プラス、重装備による過重負荷が大きい
- 靴があっていない。クッション性の低い靴を履いている。(tomoは普段からアプローチシューズを使用)
- 足の筋力不足や柔軟性の低下
- 足の変形(偏平足)
参考引用:痛みwith
この記事を読んでくださっている方にも、私と同じような症状の人はいませんか?
上記はあくまでも私の場合です。
痛みには様々な原因があり人それぞれ。
足裏の痛みの原因は登山だけが原因ではなく、加齢による筋肉の衰えやその人の足の形状や使い方、姿勢や歩き方のクセなど原因は様々。
足裏(足底)の痛みで整形外科受診した時のよくあるパターン
受診した場合
足の裏の痛みを訴えて整形外科へ受診される患者さんは、まずレントゲン写真を撮るのが通常です。
レントゲン写真を診て足のアーチを計測するなどして医師が診断されます。
だいたいの場合、開帳足であることや足の偏平化(いわゆる偏平足)、外反母趾や魚の目、胼胝などがあきらかになります。
人によっては日本人にはめずらしいくらい甲が高い場合などいろいろです。
例として、いわゆる偏平足だった場合、足底挿板(足底板と呼ぶ場合が多い)の作成を勧められます。
簡単にいえばオーダーメイドのインソール(靴の中敷き)です。
これは歩行の不具合を矯正し、下肢の痛みなどの緩和のために靴の中に挿入して使用します。
- 整形外科受診・レントゲン撮影
- 医師の診断
- 装具士による足底板の作成(オーダーメイドのインソール)
- 足底板の使用
- 徐々に歩行の不具合(立ち方、歩き方)が矯正される
- 受診し再度レントゲン写真にてアーチの確認
ざっとはこんな流れのイメージです。病院によっては足底板作成後に立ち方の指導も行われています。
成長途中の子供さんの場合、成長に合わせ足底板を作り直し継続し使用します。
日々、診察の中で、足底板使用後の足底のアーチの角度(レントゲン写真にて計測)が改善されているのを数値で観ているので、足底板がとても有効であるというのがわかります。

足の体操
私の勤める整形外科でもよく患者さんへお伝えしているのが足の運動(体操)です。
一番簡単なのは足指の運動です。
![]() | ![]() | ![]() |
「足指ジャンケン」って聞いたことありませんか?
足趾を使ってグー、チョキ、パーの形を作る運動です。
足裏の筋肉を発達させ、足のアーチ構造の再構築を促します。

受診するほどでもない人や予防していきたい人に

自分の足跡はどんな感じ?
私自身、子供の頃から偏平足でした。
そしてアヒルのようと笑われるほどの、へっぴり腰。
大人になってからはよく足に胼胝ができました。
それらは立ち方、歩き方、姿勢の問題だったんですね。

私が行った改善方法は
それは登山の時の靴に専用のインソールを入れたこと。
市販品の登山用品店で売っている、よくあるアレです。
自分でも拍子抜けと言う感じですが、特に意識して歩き方を変えたわけでもないのでこれぐらいしか思い当たりません。
今となれば、山岳会の先輩(看護師)に足の痛みを相談した時に勧められた通り、早く受診し専用の足底板を作ってもらって使用していれば改善するスピードは各段に早かったかもしれません。
しかし、市販品でも改善できたのだから今となればヨシとしようという感じです。
整形外科で勤務するようになってから
今でも以前と同じインソールを山用の靴に使用しています。
仕事は一日中たちっぱなしですが、足や腰が痛くてつらいと感じたことはありません。
もしかしたら勤務先でも勧めているサンダルの効果もあるかもしれません。
仕事中に履いているのはビルケンシュトックのサンダルです。
スタッフのほとんどが勤務中の靴として履いています。
よく診察の中で患者さんにも室内履きのサンダルをビルケンのものを勧めています。
ほとんどの室内用のスリッパはペタンコで薄いですよね。
フローリングの床はけっこう足にはこたえるようです。
こちらのサンダルに変えることでフローリングの衝撃も緩和されます。
アーチもあるので長時間、室内で過ごす主婦などに最適と言えます。
また自宅で過ごす時間の方が長い方には外履き用のインソールを室内履き用として活用するのもおすすめです。

注意
この記事はあくまでも私自身の経験談です。残念ながら日常生活にも支障をきたしているような症状がすでにあるという方は、まずは受診されることをおすすめします。




