2022年9月某日。台風が日本列島に近づく予報から予定していた山岳会の山行が中止に。
代替え案として北アルプスの奥穂高岳~ジャンダルムを経て~西穂高岳へと抜ける縦走登山をしてきました。
いつかはチャレンジしようと思っていたルート。
山行レポートとともにルートや注意点について、実際に使用した靴やグローブなどの道具類のご紹介もあります。

(奥穂高岳)ジャンダルムとは

奥穂高岳より撮影
ジャンダルムは飛騨山脈(北アルプス)の穂高連峰・奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜。標高は3163m。
引用:Wikipedia
こんな方におすすめ
- 難ルートを歩きとおした達成感を味わいたい!
- 岩稜ルートを歩きたい!
- 高度感と素晴らしい展望を堪能したい!
- 北アルプスの縦走がしたい!

ジャンダルムに挑戦するには

両側が切れ落ちています
ジャンダルムは「一般登山道最難関」と呼ばれていますが、その難易度の高さからバリエーションルートと呼んでも過言ではないほどの体力と技術が必要となってきます。
岐阜県山のグレーディング表からもわかるように、
- 体力的には2~3泊以上が適当。
- 緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き転落、滑落の危険個所が続く
- 地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要
- ルートファインディングの技術、高度な判断力が必要
- 登山者によってはロープを使わないと危険な場所もある
とされており、体力・技術度ともに最高レベルの難易度が示されています。

参考
もし私がはじめてジャンダルムに行くという人と同行するなら…
- 西穂高岳・奥穂高岳、それぞれジャンダルムを通過しないルートから登った事がある
- 岩稜帯歩きの経験がある
- テント泊では荷物が重く嵩張り岩場での危険度が増すため小屋泊にする
- 装備の外付けはNG
- 核心部通過の予定日は特に雨風雪のリスクが低い好天時にする

山行概要
日程:1泊2日
1日目:新穂高温泉~穂高平小屋~白出沢(しらだしさわ)出合~白出大滝~穂高岳山荘(小屋泊)
2日目:穂高岳山荘~奥穂高岳~馬の背~ジャンダルム~天狗のコル~間の岳~西穂高岳~西穂高岳独標~西穂山荘~西穂高口駅(ロープウエイにて下山)
参考歩行時間:1日目…9時間 2日目…10時間
駐車場:新穂高温泉、深山荘周辺に登山者用無料駐車場あり
メモ
深山荘のネット予約できる有料駐車場もありますよ!2022年10月現在、1日2000円。
注意
新穂高ロープウェイの運行情報も要チェックです。
下山時、最終便に乗り遅れないように!
ルートの選択 西穂高岳から?奥穂高岳から?どっちがいいの?
計画段階において、西穂高岳側からジャンダルムを目指すのか、奥穂高岳側からジャンダルムを目指すのかルートの選択が悩ましいところ。
一般的には奥穂高岳側から西穂高岳を目指しジャンダルムを通過するというのが定番です。
しかし今回の山行で実感したのは西穂高岳からジャンダルムを目指す方も、かなり多い!ということです。
昔は西穂高から奥穂へ向かい通過するのは難易度が増すと言われていましたが、現在はマーキングや整備も昔より増え登下降がしやすくなっていると、今回の同行者も実感していました。
私自身は今回がはじめてのジャンダルムだったため、昔との比較は実感できませんが、SNSなどの情報から、体力的に自身のない方や経験がまだ浅い初心者さん同行のパーティに、西穂山荘泊→ジャンダルム→穂高岳山荘泊の行程を選ばれる方が多い印象です。
日程に余裕があると、核心部の通過に行動時間をしっかりとれるので、体力的にもメンタル的にも余裕が持て、安全対策的にも良い選択と言えそうです。
自分やグループの経験、力量に合わせて無理のない計画を立てましょう。
岩稜ルート登山の道具・装備
普段の山行で実際に私が使用している道具類を中心におすすめの品をご紹介します。
登山靴
モンチュラ ヤル テクノ ジーティーエックス MONTURA YARU TEKNO GTX MENS 9210

岩稜歩きでは最も重要といえる登山靴。
選ぶ際のポイントは適度な硬さと軽さを兼ね備えたライトアルパインブーツが良いと言われています。
しかし、私の場合は最近はクライミングの割合が高いため、この数年はアプローチシューズの一択です。
なかでもモンチュラの靴は岩場でのグリップ力に、かなりの信頼感があり何度か同じ靴を買い替え使用し続けています。
難点を言うなら、軽くてグリップ力が高い反面、ソールが柔らかく長時間歩くと足が疲れやすいところです。
SPORTIVA(スポルティバ) Boulder X MID GTX(ボルダーエックスミッド GTX) 17E Blue/Yellow
モンチュラの前はスポルティバのアプローチシューズを愛用していましたが、自分に合うサイズがなかなか日本で販売しておらず残念。
ザック
岩にひっかけないようなコードやポケットの少ない、軽さと強度のバランスが取れたシンプルなものが理想的です。
MAMMUT マムート レディース Ducan 30 Women 2530-00330 バックパック バッグ ザック リュック 登山 アウトドア
今回、私が山行で使用したザックはアルパイン使用ではなく普通のカリマーの登山用のザックでしたが、上記ご紹介のザックは今、欲しいなと思っているザックです。
普段の日帰り山行ではおもに25ℓのアルパイン使用の軽量なものを使用しています。
注意ポイント
岩稜歩きに限らず、マット類や水筒などを外付けしている人を多く見かけますが「外付け」はひっかけの要因になりかねませんし、落として人にあたることもあり大変危険です
ヘルメット
ヘルメットは落石などから頭部を保護し転倒、滑落時にも衝撃や外傷のダメージを軽減してくれます。
今や岩稜歩きの装備の常識になってきていますね。
MAMMUT マムート Crag Sender Helmet 2030-00260 アウトドア ヘルメット
UIAAなど登山用規格をパスしているかどうか確認を。
サイズやフィット感も重要なポイントの一つです。額までしっかり保護するように正しくかぶりましょう。
オススメなのはこのヘルメット。とにかく、軽い!多くのクライマーが愛用しているペツルのシロッコ。
私もおもにアイスクライミングの時に使用しています。
グローブ
滑りやすいクサリやハシゴを通過する時用にグリップを効かせられるよう手のひら部分が革製のグローブが役立ちます。
普通、クライミングでは素手で岩を触り登攀しますが、バリエーションルートや一般登山道ではクサリやハシゴが架けられていることが多いです。
普通に登山道を歩くだけと違い、何度も岩やクサリ、ハシゴなどに手が触れていると、下山時に気が付いたら手や指に擦り傷、切り傷が出来ていることが多々あります。
Black Diamond(ブラックダイヤモンド) トレイル グローブ BD78520
私が使用しているのはノースフェイスのシンプルフィンガーレストレッカーズグローブという商品です。
フィンガーレスタイプは操作性が良く、かつ冷たい巌やクサリ、ハシゴなども躊躇せずに思い切って握れるため岩稜帯歩きのあるルートでは便利です。
画像がなかったためメーカーは違いますが同じフィンガーレスタイプのグローブをご紹介しています。
山行レポート1日目(白出沢~穂高岳山荘)

初・白出沢ルートがんばろう
白出沢(しらだしさわ)
岐阜県側から奥穂高岳の稜線に立つ最短ルート。落差20~30メートルの白出大滝やジャンダルムを望める。標高差が大きく険しい急登が続く。2020年の群発地震の影響で大規模な崩落があり登山道の崩れや岩雪崩による土砂の堆積で一時、通行止めとなっていた。現在は復旧し通行可。
台風発生の予報に本来の予定から変更、転戦というわけで、初、ジャンダルムに挑戦します。
なんとか一泊二日の行程では台風の影響もまだなく晴天が見込まれる予報。

長い林道歩きの途中に近道が
新穂高温泉の駐車地を出発し、まずは右俣林道を奥穂高登山口まで歩きます。

途中にショートカット道がありますが、同行者によると急登になりしんどいためショートカットは使用せずに進みたいとのこと。ここは慌てず、正規の林道を進むことに。

小休止しましょう
穂高平小屋に到着。
小屋の周辺には牧場があり牛が草をはんでいました。
(牧場があるため、このあたりの沢の水は飲用不可です)

オオヤマレンゲの花後
穂高平小屋から奥穂高岳登山口までCTは1時間10分。
この日の行程は穂高岳小屋まで、時間はたっぷりあるため急がず歩きを楽しみます。
奥穂高岳登山口に到着。
ここで槍ヶ岳方面と奥穂高岳方面との分岐になります。
多くの登山者がここまで同じ道を進んでいましたが、ほとんどの人が槍ヶ岳方面へ進んでいかれました。

ゴゼンタチバナの実
白出沢方面へ向かう登山者も数は少ないですが、何組かいました。
私たちはあせらずゆっくり小休止しながら進みます。
花も散り、実が付き秋の装いにかわりつつあります。

トウヒの森
トウヒが目立つようになってきました。
しばらくは針葉樹林帯の気持ち良い登山道です。
高山にやってきたなという実感がわいてきます。

倒木に色鮮やかなコケ
朽ちても尚、美しい自然。
同じ山に向かうにしても、アプローチが上高地からですと大周りで時間もバス代など経費もかかるため、新穂高からの入山はかなりアリだなと思います。
静かな登山が満喫できるうえ、登山道はよく整備されていて歩きやすかったです。

快晴!
標高が上がるにつれ、空の面積が広がってきました。
振り返ると笠ヶ岳方面の展望が美しいです。

あ、あれは滝?
やがて徐々に沢の音を感じながら登山道を進んでいくと、白出大滝がチラッと見えました。
つまり、本日の核心部、ガレ場が近づいてきていることがわかります。

崩落地。かなり荒れている
重太郎橋に到着。
増水時は橋が流されることもあり要注意です。今回は問題なく対岸へ渡ることができました。

岩雪崩の跡?恐ろしい💦
右岸を慎重に進みます。
足場は狭く、またいつ落石が起きてもおかしくない環境に緊張感が増します。
正面は涸沢岳が見えます。

進行方向の正面に大滝が見えてくる
もし対向者がいた場合はすれ違いが難しいため前方をしっかり見定めてから進みます。

長いハシゴがみえてきた
新しそうなクサリが設置されていてルートもわかりやすい。

重太郎橋方面を振り返りみる
なかなかな場所を歩いてきたのだなと実感。
クサリやハシゴなどアスレチック感があり楽しい!なんて、思っていては不謹慎?!💦
岩切道は谷側がきれているので高度感もあり要注意箇所です。
岩切道を終えると、沢を渡り右手側にある草付きへ進みます。
樹林帯のルート途中で荷継小屋跡をすぎるとすぐに荷継沢です。
ここで警察の若いグループが追いつきました。
皆さん荷継沢で大休憩されています。
快晴なのは良いのですが、天気が良すぎ?なため暑いぐらいです。
今回の山行メンバー、くだりはメチャクチャ歩くのが早くて得意なのですが登りで暑さにめっぽう弱いという人の体調が一番重要となってくるため、日陰で小休止をした後、ゆっくりでもいいから進みましょうということで休憩もほどほどに出発しました。
荷継沢を対岸へと渡り、ついに白出沢のガレ場へと突入します。

大きな石がゴロゴロ
まだこの辺りでは振り返ると荷継沢で休んでいる警察のグループさんが目視できました。

ついにガレガレの急登
ジグザグとペンキのマークを見失わないよう追いながら進みます。
岩からの照り返しの日差しもきつくサングラスと顔の日焼け対策も必須な日でした。

快晴!暑い!
日陰となる場所がほとんどないため、直射日光と暑さがこたえます。

アビナイヨ
同行者が暑さでバテはじめ、徐々にスピードダウン。
若い警察のグループさんも、明らかにベテランさんと見えるメンバーと、一番若手とみえる歩荷?大荷物の数人との間に距離が出始めました。
はじめは追いつけ追い越せでこのグループと前後していましたが、やがて警察のグループさんとの距離も開いてきました。
私はバテ気味の同行者と離れすぎないように意識しつつ、ルーファイに気を付けながら少しずつすすみました。

ガンバー!
振り返ると、笠ヶ岳にガスがかかりはじめています。
計画どおり進めているので急ぐ必要もないため、あせらず着実に進みました。

やっと、白出のコルが近づいてきた
いい加減、ガレガレの岩の景色にも嫌気がさしてきたころ…
ついに石積みを確認。穂高岳山荘の気配が感じられます。

良ーく見ると奥穂高岳方面から山荘へくだってくる登山者を確認!
あと、もうひと踏ん張りです!

背後にはジャンダルム!
日差しの強さと暑さに、きつい急登。
よく頑張りました。
計画どおり穂高岳山荘に到着しました。

夕飯まで、まったりのんびり
小屋のチェックインを済ませたら、絶景を眺めながらのんびりタイム。
前穂高岳の北尾根も候補の一つでしたが、またいつかチャレンジしましょう。

山荘の夕飯
山荘の夕飯はメインがハンバーグとコロッケでした。
いつもはビール1本ぐらいは飲むのですが、今回はアルコールはなしで。
祝杯は下山後のお楽しみにとっておくことにしました。

日没まじか
夕陽を眺めようと外に出ている人がたくさんいました。

マジックアワー
日没後、美しいピンク色のビーナスベルトが見られました。
翌日は朝食をお弁当にかえてもらい早出出発のため、早めに就寝です。
アルコールをのんでいないためか、ぐっすりと熟睡することができました。
2日目:穂高山荘~奥穂高岳
昨日は飲酒を控え、早めに就寝したため十分な睡眠をとることができました。

事前にお弁当を頂いていたので小屋で軽く食べてから出発しました。
すでに奥穂高岳山頂で日の出を見るため出発している人がたくさんいます。

うっすらと夜が明けてきた
ヘルメットとヘッデン、グローブも装着し準備万端。出発です。

雲が多いもなんとか日の出がみられそう!
雲海の上に山の稜線がわかります。

ついに!
少しずつ登りながら、日の出を見逃さないよう進みました。

御来光!
奥穂高岳山頂の少し手前。
御来光を見ることができました。

槍ヶ岳
稜線に立つと風が少しありますが耐えられる寒さです。
山がモルゲンロートに染まるのを待ちます。

富士山
前穂高の北尾根ごしに富士山がハッキリ!

うっすらピンク色

私にとっては、どんなルートを通り登ったかよりも、日常では見られないような山での絶景を見ること、この方がずっと価値があるように感じます。
絶景を堪能したので、山頂へ向かいます。
すでに山頂では人で賑わっていました。
私もギリギリ間に合ったジャンダルムの少しだけモルゲンに染まっている姿をカメラにおさめることができました。

なんと!すでにジャンのてっぺんに人影が
いろんな人がいるもので、きっとジャンダルムから日の出を見られたのでしょう。

お社にお尻をむけちゃってゴメンナサイ
のんびり山頂で過ごしているかのような?写真に見えますか?
実は、みんな山頂での記念写真の順番待ちなので、「こんな感じで撮ってほしい」と決めるやいなやスピーディに撮っていただきました。

上高地方面を見下ろして
雲海と、どこまでも続く山並みが素晴らしいです。
カメラの事は詳しくありませんが、スマホ撮影(iPhone13pro)で、ここまでしっかりと山岳写真も撮れるので私には十分です。
大きなカメラをぶら下げての登攀は危険なため、最近の私はもっぱらスマホのカメラで写真を撮っています。
2日目:奥穂高岳~馬の背~ロバの耳~ジャンダルム

いざ、ジャンへ!
奥穂高岳からはジャンダルムがすぐそこのように感じられます。
でも、そこにたどりつくまでがいきなり本日の核心部です。
休日なため登山者も多く、危険地帯で渋滞になるのは避けたいところ。
山頂ではゆっくりせずに先に進むことに。

風もなくおだやかなため、緊張感はあるも怖くはない
まずは最初の難関、馬の背。
岩稜はみるみる狭くなり、高度感のあるリッジの下りになります。
岐阜側、長野側ともに切れ落ちています。

慎重かつ、スピーディーに
細心の注意を払いながら…。
はじめてのジャンダルムのため、私のためロープを準備しましょうか?と、同行者は計画段階で言ってくれていましたが、今までのバリエーションルートの登攀やクライミング経験からお断りしました。実際、ロープを使用したいと感じることなく通過することができました。
今回の山行中、ロープを使用しているのを見かけたのは、ガイド山行のグループの方たちのみでした。
自身の力量だけでなく風や雨など環境要因でもかなり変わってくると思うので、ロープ使用、携行の有無も慎重に判断したいですね。
続くはロバの耳。
ここは岐阜側の岩場を巻いて通過します。

ジャンの文字
ジャンダルムの山頂部へは長野県側を巻いてあがります。

はじめてのジャンダルム

奥には奥穂高岳の人がハッキリと見えます。

ジャンダルムから槍ヶ岳まで
すごい,眺め(語彙力💦)
槍ヶ岳まで縦走するのも楽しそうです。

反対を振り返ると西穂高岳方面
360度ぐるりの展望。
槍ヶ岳から反対方向、つまり自分たちの進行方向には西穂高岳~焼岳~乗鞍岳~御嶽山まで連なり見ることができます。

2日目:ジャンダルム~間ノ岳~西穂高岳

岩稜帯に咲く高山植物
ジャンダルムを後にし、コブ尾根の頭から天狗のコルまでは大きく下ります。

眼下を見下ろすと足がすくむような景色
渋滞もなく順調に進んでいます。

何度も登ったり、くだったり…
見える景色は絶景ですが、この後も何度も急な岩場を登ったりくだったりの連続です。
集中力を切らさないようがんばろう。

天狗のコルへ到着
このルート、唯一のエスケープルートである天狗沢で岳沢へくだるルートとの分岐です。
天狗のコルで小休止しました。

明神岳がカッコイイ
天狗沢は主稜線からのエスケープルートですが、こちらも難度が高いため安易には下降しないよう地図にも注意書きがあります。
天狗のコルからクサリのある岩場を登りきり、もろい岩場をたどると天狗岩(天狗の頭)。

間ノ岳?と期待しましたが、いえいえ、まだでした。
そして間天(アイテン)のコルまでは、逆層スラブの長い岩場をくだります。

逆層スラブは長いクサリがついている
逆層スラブは岩が乾いており、クサリもついているためそれほど難しくは感じませんでした。
雨や岩が濡れていると嫌らしい場所ですね。

間ノ岳 あんなの登るの?
ちょうど疲れが少し出始めてきた頃。
間ノ岳が見えてきました。
もろい岩場が続き、岩場の世界に少々嫌気がさしてきます。

間ノ岳への登り
けっこうしっかりとしたペンキでのマーキングとクサリに特にルーファイでの困難さはかんじませんでした。
もしかすると反対周りで通過する場合、下りでの視界ではペンキマークも見えずらいことがあるかもしれません。

荒々しい岩稜帯に咲く可憐な花に癒される
天気予報どおり空が曇り始めてきました。
計画通りすすんではいるものの、雨に降られるのは免れたいな。

間ノ岳の山上部は狭いため少しだけ降りてから休むことに
朝食を小屋で食べてからずいぶんと時間がたっています。
いったん大休憩をすることに。

西穂高岳を眺めながら
サーモスに入れてきたお湯で、暖かいコーヒーをいただきました。
緊張感の連続を強いられる岩場では、暖かい食べ物や飲み物でかなりストレスが和らぎます。
きっと西穂高岳山頂は狭い場所にたくさんの登山者がいるでしょう。
ここで大休憩もいいかもね、と話しながら休みました。

西穂高岳まで、あともう少し頑張ろう
大休憩でパワーチャージできたので、西穂高岳までラストスパートです。
この頃には疲労でヘトヘトぎみでしたが、前後を行く登山者ともお互いに励ましあいながら頑張って進みました。

ついに到着!西穂高岳
ロープウェー利用し西穂高口から登頂したことはありますが、ジャンダルムからこちらへ登頂したのははじめて!
同じ山でもルートを変え登るのも面白いです。
山頂部では、ロープウェー利用の登山者さんもたくさんいるため、ここから先はさらに離合が多くなります。
西穂高岳までくるとだいぶゴールが近づいたことに気が抜けてしまいそうですが、すれ違い、落石に注意が必要です。

西穂高岳山頂から
ここでも絶景が広がっていました。
歩いてきた稜線の先には槍ヶ岳、遠く剱岳まで見えます。

2日目:西穂高岳~ロープウェー~下山

徐々に暗い雲が増えてきた
西穂高岳を後にし独標へ。こちらには外国の登山者さんがたくさん。
人で混雑しておりとても休めれる雰囲気ではなかったためにスルーしました。

ついにガスに包まれてしまった
今にも雨が降り出してくるのは?
そんな曇天でも、登ってくる登山者が後を絶ちません。
独標をすぎ、少し広めの休憩適地をみつけると偶然、知り合いとバッタリ。
今から山頂を目指すのは少々危険では?
知人は今日は行けるところまでとし、山荘泊のためのんびりするとのこと。
そんなことを感じていましたが、下山途中でヘリが上がっていくのを私たちも確認していました。

下山後にわかったことですが、私たちが通過したすぐあとにソロ女性の滑落事故があり、知人はその救助活動に少しかかわったようです。

丸山あたりには子連れの登山者も多い
そろそろ降ってきそう?
雨が降ってくる前に、とにかく山荘まで目指しましょう

西穂山荘に到着
山荘前はたくさんの人で賑わっています。
到着と同時に小雨が降ってきました。
急いで屋根の下へ移動し、ザックカバーを装着しました。
小屋の中で休みたい気持ちもありましたが、小屋の中は外以上に人で混雑しています。
これはもう、ゆっくりしていないで下山してしまいしょう!と、なりました。
暑いためレインを着たり脱いだり。
少々の小雨だったこと、樹林帯歩きでずぶ濡れにはならずに済みました。
無事に下山完了することができました。

参考
下山後の食事処

いろんな定食がありメニュー豊富
じねんじょの専門店ですがメニューが豊富なので、じねんじょ以外にもありますよ。自分の食べたいものがきっとあるはず!

北アルプスの絶景を堪能できる奥穂高岳から西穂高岳への縦走登山、いかがでしたか?
登山者ならだれでも一度は聞いたことのある憧れのジャンダルム。
可愛らしい天使の看板とは逆に、厳しい岩稜帯歩きの連続ですがその絶景をみるために一度は行く価値のあるルートです。
岩稜歩きの経験を積んでからチャレンジすれば、絶対に不可能ではありません。
一泊二日で北アルプスの絶景を堪能する山旅。
上高地を経由したり、槍ヶ岳からの縦走など、組み合わせ次第で壮大な山旅にもなりますね。ぜひ行ってみてくださいね。