山登りで小屋泊やテント泊をする時、
手洗いや洗顔でハンドソープや洗顔料などの洗剤が使用できないのは常識ですよね。
汗拭き用ウェットシートやジェル状の除菌剤を使用している方も多いのでは?
では、歯みがきは皆さんどうしていますか?
この記事では山での歯みがき事情、登山中でも口腔内を清潔、快適に保つための方法をご紹介します。
え?歯みがきしたあとゴックンするの?
当ブログ管理人のtomoは2018年から山岳会に入会。
本格的にアルパインスタイルでの登山に目覚めました。
山岳会に入り一番びっくりしたこと、
それは歯みがきについてです。
恥ずかしい話ですが…。
歯みがき後の口をゆすいだ水を、野山へ吐き出してはいけない
ということを知りませんでした。
もちろん。
歯磨き粉を使用してはいけないということは常識として知っていましたが…。
山岳会の山行でテント泊をした時、はじめてその事を知り
私にとって、ものすごい衝撃でした。
だって、皆さん、歯みがき後の口腔内の水分(含め、食べカスなど)をゴックンするのですから。
でも、冗談じゃなかったんですね。
皆さん、なんでもないことのように!!
ササ~と、食後に歯みがき+ゴックンをするのです。
郷に入っては郷に従え…。
えええええぃ。
やるしか、ない!
ということで、これを私も毎回するわけですが…。
ちょっと無理なので…。
私は持参のトイレットペーパーに吐き出し、ゴミとして持ち帰るようにしています。
慣れてしまえばなんでもないことかもしれない。
でも、なんとかならないのかな?
そこで、歯みがきゴックン問題
解消して快適な口腔ケアをするため調べてみることにしました。
なぜ山で歯みがき後の「ペッ」がタブーなのか?
そもそも山では大変な行程を経て、確保された貴重な水。
夏季に脱水症などの疑いがある時、飲料水が十分にあるかどうかが大切になります。
もし、道に迷って水場や山小屋、人のいる場所にたどり着けなかった時、
飲料水があるのとないのとでは不安度が全く違い、最悪の場合は生命にもかかわる問題です。
その貴重な水を大切に使うため、歯みがきに使用するのは二の次という考え方がまずあります。
山でシャンプーや洗顔せっけん、ボディソープ、食器用洗剤など、
洗剤類を廃棄してはいけない事は知っていますよね。
では何故、洗剤類の使用がいけないのか?
それは普段、私たちが使っている歯磨き粉や洗剤類のほとんどが化学物質で自然界では分解されないから。
山小屋で使用した排水は、浄水設備がないため、ある程度のゴミを除けたらそのまま山(自然)へ流されます。
もしそこに自然界で分解されない合成洗剤など化学物質が混ざっていたら?
動植物、生態系へ影響を及ぼします。
ないはずの場所へ人間が持ち込む環境汚染ですね。
では歯磨き粉を使わなければ、そのまま土に吐き出してよいのか??
いえいえ。
山でスパゲッティを茹でたゆで汁も捨てないで持ち帰る(別の調理に使うなど…。)ように、
歯磨き粉を使用していなくても、歯みがき後の水分を自然へ吐き出すことはNGです。
食べカスなどの食物の欠片が、動物を引き寄せることが考えられます。
たぶん、熊の出没が懸念されるような場所で自分のテントの横に食べ物を出しっぱなしにする人はいないと思います。
極端な話ですが、「ここに人間がいますよ~」とアピールしているようなものですよね。
また、例え有機物であっても木も生えない(育たない)ような高所では、それを分解するのにものすごい時間がかかります。
本来なら人間が生活していない環境へ、いるはずのない人間の足跡を残してはいけないのです。
あっ、漫画で記憶に新しいのは「山と食欲と私」の富士山登山でのカップラーメンのお話。
漫画でこの話を読んで初めて知ったという方も多いのでは?
山ガールと呼ばれたくない鮎美ちゃんが主人公の山メシ漫画、
ついつい山メシしたくなるようなお話ばかりで、おもしろいですよ♪
山の常識。
わかっているつもりでも、「ちょっとぐらい、いいかな?」という人間の心のスキ…。
ひとりひとりは少量でも、積み重なることで大きな影響を与えかねないですね。
ポイント
- 山では水は貴重。大切に使おう。
- 洗剤類の使用は厳禁!!もちろん歯磨き粉もNG
- (歯磨き粉を使用していなくても)山で歯みがき後の水分を土へ吐き出してはダメ。
- 自然環境に人間の足跡を残さない。
山で口の中を快適サッパリに保つ方法
登山中の歯磨き、我慢して歯みがきをしないことは、虫歯や歯周病の原因ともなるのでお勧めできません。
歯みがきは我慢しないでスッキリ、サッパリ!過ごしたいですよね。
そこで歯磨き粉を使用しないオーラルケアの方法をご紹介します。
その1 ブラッシング+紙に吐き出す(ゴミは持ち帰る)
一番、単純で、私が無意識にやっていたこと。
それは…
- 何もつけていない歯ブラシでブラッシング
- 少量の水(もしくはお茶など)で口をゆすぐ
- 紙に吐き出す
- ゴミは持ち帰る
このシンプルな方法。
さらに、ちょっとしたアイテムでグレードアップします。
それは歯間ブラシを使用し、ブラッシングでは取り切れなかった歯の隙間の汚れを除去することです。
より丁寧に口腔ケアができますし満足度もアップします。
さらに、緑茶で口をゆすぐと、緑茶に含まれるカテキンで細菌の繁殖を抑制する作用があります。
その2 口の中の汚れを拭き取る
突然ですが、口腔清拭(もしくは口腔ケア)という言葉を知っていますか?
看護では体の起こせない人や、水を口に含むことのできない高齢者などに口腔清拭を行います。
その方法は、簡単に説明すると
指などにウェットティッシュやガーゼを巻き、汚れを拭き取ります。
看護や介護で行われている口腔ケアの方法です。
うがいをする必要がないので水がない場所でも、口の中をサッパリさせることができます。
1枚ずつの個包装というのも便利ですね。
その3 アウトドア用ジェル歯みがきでブラッシングする
こちらで紹介するのはジェル状の歯磨き剤「オーラルピース」
もともとは介護を必要とする人や高齢者、妊産婦、乳幼児など、
自分でうがいや吐き出しができない人のために開発された製品です。
このジェルは天然由来の可食できる成分できているので、飲み込んでもアミノ酸として体内で分解、消化されます。
もし自然界に吐き出しても速やかに生分解され環境に優しいことが特徴。
「ネオナイシンe」という自然界にある乳酸菌が、天然由来でありながら口腔内の原因菌にしっかりアプローチします。
登山やキャンプ、水がない環境、歯みがきが禁止されている山小屋でも歯みがきができ、お口すっきり。
こちらは個包装されているので、歯を磨く回数分だけ持ち歩けます。
まとめ
登山で歯磨き粉を使用せずに、スッキリ口腔内を快適にする方法は工夫しだい。
貴重な水の使用は最小限にとどめながら、自分で出したゴミは自分で持ち帰る。